内容説明
高度に発達しつづける科学技術は何を拠り所とし、どこへ向かうべきなのでしょうか。この答えを出すためには、人々の精神・規範・文化と科学技術の関係を歴史に学び、様々な観点から議論を深めていく必要があります。この問題意識から「科学技術と知の精神文化」研究会は、自然科学、人文・社会科学、企業などの様々なバックグランドを持つ多くの専門家から、深い見識に基づく講演を頂いてきました。第八冊目となる本書のテーマは「ヒトと科学」。現代科学がもたらす新しい課題とそれを乗り越えようとする英知の最前線についてご紹介します。
目次
総論 人間のアイデンティティの行方(野家啓一)
生命医療倫理への法的対応をめぐって―わが国の現況と課題(田中成明)
革新的技術を用いた脳科学研究―その光と影(岡野栄之)
科学技術の進歩と生命倫理―iPS細胞とゲノム編集のもたらすもの(大隅典子)
統計思想と日本の文化(永井良三)
「Science for Society」をめざして(秋山弘子)
オープンサイエンスとオープンエデュケーション(有川節夫)
音楽学と伝承現場の関係(徳丸吉彦)
人工知能と社会(甘利俊一)