「ひきこもり」経験の社会学

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「ひきこもり」経験の社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 371,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784865281569
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0036

内容説明

自分と社会とを引き受け直す。医療化の視点が取りこぼし続けてきたひきこもり問題の社会的様相が浮かび上がる。若い研究者の真摯な好奇心と学問的誠実さのみが可能にする、ひきこもりの新しい物語。ひきこもり研究の新たな担い手による、渾身の一冊。

目次

第1章 「ひきこもり」経験と“問い”―問いの両義性をめぐって
補論1 カテゴリーと主体化―「ひきこもり」経験者になること
第2章 戦後日本と「ひきこもり」問題―生活保障という視角から
補論2 「ひきこもり」の語られ方―問題理解の枠組みに着目して
第3章 状況と自己アイデンティティ―「参加」の困難さをめぐって
補論3 「ひきこもり」支援を考える―主観的QOLを軸にした支援
第4章 「私」たちの人生の物語―語りの難破と語りの再構築
補論4 「生きることへの意思」再考―実践意識と言説意識の区別から
終章 「社会」を見いだす―同化主義を超えて

著者等紹介

関水徹平[セキミズテッペイ]
1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。早稲田大学文学学術院助手、同非常勤講師を経て、現在、立正大学社会福祉学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里季

32
たくさんの例が出ていたが途中で断念。「ひきこもり」という言葉がやたらと出てきて読みにくかった。少し難しく感じた。2020/02/29

ゆう。

26
「ひきこもり」経験について多角的に論じた内容となっています。親にとっての「ひきこもり」経験とは、日本特有の企業社会への包摂を前提とした生活保障の問題であり、現実社会が新自由主義的な社会になるなかで包摂が厳しい現実が生まれてきているのではないかと思いました。また、「ひきこもり」当事者にとっての経験は社会の多数のあり方への「同化主義」に苦しんでおり、実際の施策も同化主義に陥っている実態を学ぶことができました。「あなたはあなたでいいんだよ」という価値観を社会に築いていくことが求められているのだと思います。2017/02/09

ひろとん

4
とりあえず一読。凄まじい。もう俺やることねえやんってくらい、言説から、当事者の体験から、支援まで手広く議論されている。とくに、石川良子への反論の部分には強く共感。ただ、まだ関口も触れていないのが、石川の「存在論的問いへ向き合う」向き合い方が極めて思惟に傾いているということ。身体無くして思考は存在しないのではないか、やはり「私」が分解されることがひきこもり、そして生きづらさの根底であるのではないだろうか。2017/09/10

いたち野郎

3
ひきこもり当事者はなぜかくも社会に絶望しているのか。なんとなく分かっていたようで、分かっていないことってのが実に多い世の中ですが、ひきこもりを巡る理解というのはまさにこの集合体で、それは世間からすれば少数派であり、一方の多数派は基準を改めて設けられることがない、疑問を持つ必要にかられないからこそ、深い断絶があるんだなあと思いました。博士論文を書き下ろしたものだそうで、我々が何となく、こういうことでしょう?と思っていることを他の論文をもとに分析するっつー、何となくをちゃんと知りたい人にぜひ。2017/04/27

ゆう@公認心理師

1
社会学者の関水氏が早稲田大学大学院博士論文を一般読者向けに描き下ろしたもの。戦後形成された日本社会がひきこもりを生んでいると読み取れる。高度経済成長で企業が家族を養う社会となり、社会保障制度も弱い中、家族が子どもを抱えるものであるという文化が根強く残っている。ひきこもり経験という視点で主に「本人』「家族」「支援者・行政」の立場からひきこもりの問題を語る。エリクソンのアイデンティティ論からではなく、状況に応じた自己の積み重ねで自己を捉える視点。「生まれて生きて死ぬ」という実存的悟りで固有自己を生きれること。2019/12/14

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