内容説明
古典の学識を駆使しながら、天文、有毒生物、漁業など広範囲の内容を韻文で綴る。人生の知恵を含んだ詩文選。
目次
アラトス『星辰譜』
ニカンドロス『有毒生物誌』
ニカンドロス『毒物誌』
オッピアノス『漁夫訓』
著者等紹介
伊藤照夫[イトウテルオ]
京都産業大学文化学部教授。1942年長野県生まれ。1974年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。1981年助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
現象は身体と世界との関係を表す。星座分類と天気予報を綴るアトラス『星辰譜』(Phainomena)は、目前の現象が夜間に地中海を航行する船や昼間に雲を見る人々の今の中の未来に関わることを示す。一方、毒物は動植物と人間の関係を表す。ニカンドロス『有毒生物誌』『毒物誌』で有毒生物に関する対処法にあるのは、毒に対する身体の良い/悪いという過去の経験データから得られる基準だ。オッピアノス『漁夫訓』は魚の集め方、釣り方と共に、魚を「獰猛さ」のような釣り人との関係から分類する。教訓は身体と世界との関係から導出される。2022/07/27