内容説明
手塚治虫、横山光輝、梶原一輝、藤子不二雄、中上健二、村上龍、村上春樹など戦後日本を代表する漫画家、作家による作品を取り上げ、ロボットとサイボーグなどの人工的身体の表象分析を通じて、進展していくテクノロジー環境のなかで、身体感覚がどのように変容しているのかを読み解く。マンガにおいては、登場人物がどのように性、死、内面、成長などの身体性をもちうるのか否かを、また作家においては、“偽史”という“物語”にどう対応していったかを中心に論じる。
目次
第1部 “大きな物語”と人工的身体―“記号の身体”/“生身の身体”の流動性(“生身の身体”の前景化の過程―手塚治虫、横山光輝、梶原一騎;“記号の身体”の顕在化―藤子不二雄A、藤子・F・不二雄)
第2部 “偽史”と人工的身体―アメリカ、アジアの中の“日本”(“偽史”の創出とその戯画化―中上健次、村上龍;“サブカルチャー的想像力”とその臨界―村上春樹;編集される記憶と「家族の物語」―小川洋子「博士の愛した数式」におけるサイボーグ的表象)
著者等紹介
山田夏樹[ヤマダナツキ]
1978年東京都出身。2010年立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程単位取得退学。現在、玉川大学リベラルアーツ学部ティーチング・スタッフ、博士(文学、立教大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。