イタリア・ユダヤ人の風景

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イタリア・ユダヤ人の風景

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000221450
  • NDC分類 316.88
  • Cコード C0098

内容説明

ファシズムとナチズムの交錯する第二次大戦下のイタリア。戦場から離れた都市の片隅で、戦火とは異なるもう一つの暴力が多くの無辜の命を奪おうとしていた。どのような運命がイタリアのユダヤ人たちに襲いかかり、何が彼らの命運を分けたのか…。著者はローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェッラーラをめぐり、その沈黙する街路に立って、苦難に生き、闘い、斃れた彼らの声に耳を澄ます。イタリア社会の深部を、ひそやかに、しかし滔々と流れ続けてきたユダヤ人とその文化の水脈をたどる旅。

目次

プロローグ 旅のはじまり
第1章 戦線へのピクニック
第2章 ローマ、二〇〇一年一〇月一六日
第3章 無防備都市、ローマ
第4章 島のゲットー、ヴェネツィア
第5章 丘と港の町で、トリエステ
第6章 愛と憎しみのフェッラーラ
エピローグ ふたたびローマへ

著者等紹介

河島英昭[カワシマヒデアキ]
1933年東京生まれ。東京外国語大学名誉教授。イタリア文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぞしま

16
ローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェッラーラのゲットーを巡る、河島先生入魂の一冊。 素晴らしい。 個人的にとても重要な読書体験となった。 レオーネの死に際して詠われたナタリアの詩の素晴らしさ。人は普通、愛する者の死の眼前で惚けてしまうように思われるが、彼女の作家的な覚醒感が哀惜の言葉を陶冶しており、それがより一層の哀しみを表現することに成功しているように思われた。河島先生の解説も素晴らしい。 特に序盤のローマは読み応えあり。 本書を携えてイタリアを旅したいと思う。2019/03/18

秋良

12
まあまあ。イタリア各都市のゲットーの成立や、ナチス・ドイツに迫害された頃の様子、ユダヤ系文学者のエピソードなどを紹介する。悲惨な末路は共通しているものの、ポーランドとは少し傾向が違う気がする。街の説明も詳しいので、写真が載ってないのが惜しい。にしてもディアスポラから何千年と経っても独自の文化、言語、結びつきを保ち続けるのが凄い。2020/04/26

micamidica

8
端的に言うと、2001年秋にローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェラーラを訪れた道のりを軸に、それぞれのまちのゲットーの成り立ち、顛末を記した作品。NY同時多発テロ後の緊張感や、著者の往年のエピソードなども入り混じり、まとまりの悪さは若干あったけれども、とても勉強になり読みごたえのあるものでした。フェラーラを訪れたときにはゲットーがあったことすらわかっていなかったことが悔やまれます。またこの本を道しるべにイタリアを訪れたいと思いました。2019/04/19

Mana

2
わたしたちのすべての昨日(ナタリア・ギンズブルグ)の巻末の訳者あとがきで出てきたので図書館で借りてみた。ギンズブルグのエピソードは少しだったけど、本書自体がなかなか面白かった。2016/01/26

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