講座 心理療法〈7〉心理療法と因果的思考

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  • サイズ A5判/ページ数 233p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000265676
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C0311

出版社内容情報

心理療法では,疾患の「原因」を明確にできることは少なく,また特定したとしても,それで障害を除去することは不可能に近いという.では,「なぜこんなことになったのか」という患者の叫びにどう応えられるのか.長谷川眞理子氏との対談を併収.

内容説明

心理療法の場合、疾患の「原因」や「必然性」を明確にできることは少なく、またそれを特定したとしても、それによって障害を除去することは不可能に近いという。ならば、クライエントの「なぜこんなことになったのか」「この苦しみから逃れるためにはどうしたらいいのか」という叫びにどう応えられるのか。心理療法にとっての「真理」とは何なのか―。人間が生きていくうえで、どうしても不可欠と考えられる哲学、宗教、教育などは、心理療法とどう関連するのか。心理療法の現場における最新・最大の話題、研究の最先端を提供する。

目次

総論 心の現象と因果律
心理療法において因果律が揺らぐことの意義とその諸形態について
症状のもつ「意味」について
因果性の虚構とこころの現実
心理療法における真理と現実性
対談 因果的思考を超えて(長谷川真理子+河合隼雄)

著者等紹介

川崎克哲[カワサキヨシアキ]
1959年生まれ。臨床心理学。学習院大学文学部心理療法学科助教授。京都大学教育学部心理学科卒業。著書に「夢の読み方 夢の文法」、共著に「不登校」「キーワードで学ぶカウンセリング」など

桑原知子[クワバラトモコ]
1955年生まれ。臨床心理学。京都大学大学院教育学研究科心理臨床学講座助教授。教育学博士。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。著書に「もう一人の私」「教室で生かすカウンセリング・マインド」「人格の二面性について」など

大山泰宏[オオヤマヤスヒロ]
1965年生まれ。臨床心理学。京都大学高等教育教授システム開発センター助教授。京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。共著に「重症例・境界例の心理臨床」「臨床心理学入門―理解と関わりを深める」など

河合俊雄[カワイトシオ]
1957年生まれ。臨床心理学、ユング派分析家。京都大学大学院教育学研究科助教授。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。著書に「概念の心理療法」「ユング―魂の現実性」「心理臨床の理論」など

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年生まれ。臨床心理学。京都大学名誉教授。国際日本文化研究センター所長。京都大学理学部数学科卒業。’62~65年スイス・チューリッヒのユング研究所に留学、日本で最初のユング派分析家になる。著書に「昔話と日本人の心」「心理療法序説」「河合隼雄著作集」全14巻など多数
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感想・レビュー

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rootstock1998

2
「因果性の虚構とこころの現実」大山泰宏。心理療法の概念とその方法論を、近代科学が標榜してきた方法論である因果性を批判的に捉えることを通じて明確化していく論文。因果性が1つの物語であり虚構であることをつきつめれば、心理療法の共時性や布置といった主観的と揶揄される方法論も等しい立場であることは理解される。因果性という1つの系が強力に働き、それ以外が排除されてしまうということは、病的な人間という「故障者」という捉え方を支配的にしてしまいかねない。2018/04/02

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