岩波新書<br> 盛り場の民俗史

岩波新書
盛り場の民俗史

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004303008
  • NDC分類 382.1
  • Cコード C0239

出版社内容情報

香具師の口上が盛り立てる祭りの賑わい,欲望うごめく夜の歓楽街.そこに通いつめる人がいて,そこを仕事場とする人がいる.伝統的な盛り場が消えつつある今,長年の民俗調査にもとづき,その空間を鮮やかに分析し,歴史的な歩みを明らかにする.江戸から現在まで続く稀有な盛り場,上野広小路を主舞台に,哀歓こめて描く聞き語りの世界.

内容説明

香具師の口上が盛り立てる祭りの賑わい、欲望うごめく夜の歓楽街。そこに通いつめる人がいて、そこを仕事場とする人がいる。伝統的な盛り場が消えつつある今、長年の民俗調査にもとづき、その空間を鮮やかに分析し、歴史的な歩みを明らかにする。江戸から現在まで続く稀有な盛り場、上野広小路を主舞台に、哀歓こめて描く聞き語りの世界。

目次

序章 那覇・国際通り
1章 盛り場の昼
2章 盛り場の夜
終章 盛り場のトポス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

208
香具師・徳田さんの啖呵売(たんかばい)、路上販売の口上を聞き書きした部分が面白かった。「私の親父・徳田十兵衛が作り出したナイフが十徳ナイフ。出雲の玉鋼(たまはがね)を鍛えた特許モノ……」。自然と客の足を止める話術だ。コロナ騒ぎでグッと肩身が狭くなっている「盛り場」の歴史が、分かりやすく語られていた。2020/07/05

tama

10
図書館本 神崎さんシリーズ読み 江戸時代から昭和にかけての江戸東京地区の盛り場の成り立ちやその理由が主。香具師については著者の「わんちゃ」が詳しい。盛り場は縁日の場にでき、縁日は江戸の場合年間通じてほぼ毎日どこかでやってた!というから香具師が食うに困らないはず。祭礼としてのお祭りが大好きな日本人。お祭り「騒ぎ」が大好き。盛り場は売り買いの場と歓楽の場と。遊女は娼婦。芸者は芸人。今の盛り場は交通拠点にでき、歓楽街は盛り場と働き・暮らす場の間に作られる。2020/06/17

misui

4
高市と花街を中心に見る。盛り場は、近世においてはおもに社寺に、近現代においてはおもに駅に寄生する形で開けた。2009/08/23

鈴木誠二

3
日々変容していく日本の「盛り場」の移り変わりに思いをはせるには良い本です。「軍人と花街」について的を絞った本が読みたくなりましたね。後、戦時中の渋谷に「特設慰安所」があったという資料が掲載されていました。それが何か大いに気になりました。2019/08/18

にゃん吉

3
ケハレの空間「盛り場」の民俗学。上野、湯島辺りの盛り場の発生、変遷を辿りながら、「盛り場」について考察。高市、タンカバイ、見世物小屋から店舗の常設化、高市等の衰退。茶屋、岡場所、遊廓から花街、花街の衰退。あとがきによれば、本書出版当時(1993年)、都市民俗学は新しい分野らしく、学問的には、色々難しいところもありそうでしたが、素人目には、「盛り場」固有の民俗があり、これを記録、考察する意義は大きいかと思われました。そんな話を抜きにしても、花街の元芸者、テキヤの聞き書きは、貴重な記録だし、面白い。   

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