内容説明
本書の主役たちは貧からの離陸を図り、快適さを売り込み、生活環境を一変させる知性と情熱と企みを競う。
目次
アレクサンドル・G.エッフェル―文化人に嫌われた鉄製の塔の含意
大倉喜八郎―商業者として群を抜くダッシュ力
ジョン・ボイド・ダンロップ―空気入りタイヤが生んだ交通革命
渋沢栄一―日本に「財界」をこしらえた実力
アルフレッド・マーシャル―経済学は富と人間に関する研究だ
ヴィルフレード・パレート―偉大な業績が無視され続けた背景
クヌート・ヴィクセル―超一級の理論と過激な活動が同居
アントニ・ガウディー―「神の家」を建てる無神論者の迷い〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
9
括り方が難しかったであろう、意外と多ジャンルの方が登場。エッフェルとガウディの話はいつも新鮮。財を成しても人生の終焉が悲しい方が登場しますが、カネは不思議なものだと痛感。 馬寅初の活躍が続いてたら、かの国は今頃、とつい思います。山田光成・早川徳次やの話は初見。怖いのは寺田千代乃、エネルギーがえげつない。 八木秀次の人生は興味深いです。後半生は色々批判されたようですが、後進を育て支援されたことはもっと評価されても良いのでは。 創業家も多い巻ですが、安藤百福に代表される艱難辛苦は読む者の想像を超える。2024/01/06