朝日選書<br> ペストの文化誌―ヨーロッパの民衆文化と疫病

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朝日選書
ペストの文化誌―ヨーロッパの民衆文化と疫病

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022596338
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

内容説明

中世ヨーロッパを襲った人類最大の厄災は人々の死生観、衛生観を変え近代の扉を開いた。文化問題としてのペストを考える。

目次

第1章 ペスト前史―ペストとは何か
第2章 黒死病再考
第3章 黒死病とアノマリテ―死の勝利
第4章 ペストの修辞学
第5章 三都物語―パリ・ロンドン・マルセイユ
第6章 ペストの終焉と公衆衛生
おわりに ペストの文化化

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

4
再読。本書のテーマはペストですが、歴史的な大事件というのはただ存在として認識することは出来ず、ただ意味としてのみ理解されるのだということが、時代時代の頓珍漢な把握のされ方を通じてよく分かる好著です。また、それを通じてヨーロッパの衛生観がどのように推移しどう制度として結晶化されて来たかも、パリの不潔さを歴史的に追って丹念に描かれており、具体的な民俗誌としても読むことが出来るものでした。如何にもフランス史学で斬新なものではありませんが、これだけの情報量で手軽なものは珍しく、教科書的な価値があるように思います。2018/02/11

maqiso

2
中世ヨーロッパを何度も襲ったペストは死のモチーフになるほど恐れられ、隔離や差別を引き起こし、公衆衛生の概念を生んだ。流行の速さに比べて医学や制度が遅れがちである。内容は豊富だがややまとまりがない。2020/02/04

monado

2
西洋におけるペスト禍の猖獗と鎮圧までを長大なスケールで詳細に検討しながら、ペストを文化装置として読み解いていくという趣旨。 ペストそのものの災厄だけでなく、そこから派生して繰り広げられる迫害、宗教活動、衛生観念の発達など、多角的な視点で描かれている。2018/12/13

のんき

2
ペストに由来しそこから「作りだされる」文化の有り様を追う。副題にヨーロッパとあるけれどフランスに関する記述が主体となっている。注に掲げられた文献の多さ、さらに主要参考文献リストまで載っていて、ペスト関連書籍目録といった趣もあった。それにしてもパリ市民の清掃嫌いは半端なく謎。2010/02/16

羽毛

1
デュフォーの「ペスト」を読む準備のつもりで借りたが、なかなかのボリュームとまわりくどい感じの文章で拾い読み気味。「文化誌」というタイトルから推測すべきだったが、事実関係をすっきりまとめた物が読みたかった。ペストやコレラの凄まじい犠牲を払ってヨーロッパが中世を脱したというのはよく理解できたので、ある程度目的は達したかな。2014/06/30

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