出版社内容情報
現代中東の出発点は,オスマン帝国にある.この知られざる巨大なイスラム国家について,組織・その担い手・組織イメージの3つのレベルから検討を加え,その前近代の権力構造を解明する野心的な政治社会史研究.近現代中東の理解にも不可欠の待望の書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
3
近代トルコの本を読むと、わけのわからない名称が三つある。ベイレルベイ、サンジャクベイ、そして、パシャ! 前者二つは時に「ベイ」と表記され、訳語に総督、提督、知事とあり、ここでさらにパシャと呼ばれる者たちも同様の訳語が時々で入るので、メモっててもわけがわからなかった。そこについに終止符が! スレイマン大帝時代を一つの要として、当時の政治機構や権力機構、特に大宰相の出自や、官僚たちのキャリアを詳細にわかりやすく解説してくれていた。そして著者の註の多くが自著だったりするあたり、研究者少ないんだなあと実感。2018/04/20
sovereigncountr
1
鈴木董の最初の論集にして最大の傑作。オスマン朝制度史が要領よくまとめられており、入門書・概説書で通史を押さえたのち、次に読むべき一冊。参考文献からは執筆当時の乏しい史料状況のなかで鈴木が驚くべきほど健闘し最先端の研究を生み出したことが窺える。2023/03/26
陽香
1
199306302013/12/11