出版社内容情報
50年代の福祉国家構想,80年代の市場原理の導入を越えて,公教育の意義をいかに構想するか.ボウルズ=ギンタスの教育改革批判を内在的に追いながら,ハンナ・アレントの思想を触媒に,「個の複数性」を基盤にした「学習過程の民主化」への道筋を提起する.
内容説明
本書では、自由か平等かという二者択一を超えたところで展開しつつある教育の公共性をめぐる新しい論争の地平に光をあてている。ボウルズ=ギンタスの教育改革論を、彼ら自身の著作に内在しつつ検討するとともに、その背後にある思想史的な文脈を掘りさげた。そのなかで、ラディカル・デモクラシーやハンナ・アレントなど、今日、政治思想や社会思想の領域で広く議論されている諸思想との接点に光があてられている。
目次
序章 教育の公共性―課題と方法
第1章 リベラリズムと教育改革
第2章 ボウルズ=ギンタスのリベラリズム批判
第3章 教育の政治経済学の創出
第4章 教育における公共性の再審―リベラリズム批判の政治思想史的文脈
終章 リベラリズムと公共性の再審―まとめと今後の課題