感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
4
「動機の語彙」概念の原典を追って、本書に辿り着きました。師匠との共著のようですが、ミルズ版社会学原論といった感じの、社会学が扱う全分野を独自の視点て通観した本です。そこここで刺激的な示唆を得られるのですが、個々の人間の心のありようから、社会の歴史的類型化、国や世界までを一貫して説明しようというのはあまりにも範囲が広すぎて、個々の議論が詰の甘い誇大理論化しているようにも感じます。そこはミルズさんのイメージと違ったのですが、基本はミルズさんもパーソンズ大先生と同時代の、一世代前の社会学者なのかもしれません。2021/07/01