内容説明
江戸時代・明治初期、政治の困難・危機に際し、為政者はその克服のため強い指導力を発揮して改革を断行した。その際広く民意を聴き、改革政治の参考に資せんとしてしばしば利用されたのが目安箱である。「請願」・「行政改革」・「内部告発」諸制度の前史をなし、官僚統制による統治に大きな役割を果たした目安箱の実態を解明し、その歴史的意義を浮き彫りにした画期的業績。
目次
第1章 江戸時代の目安箱―「訴えの保障」とその意義(目安箱の設置状況;目安箱に投書して訴えることが認められた事項;目安箱による「訴えの保障」の仕方 ほか)
第2章 田原藩の目安箱制度―紛争処理手続の考察(田原藩の目安箱;箱訴の処理手続)
第3章 明治初期の目安箱―京都を中心にして(目安箱の設置;目安箱の役割;目安箱の実態 ほか)
第4章 結語
著者等紹介
大平祐一[オオヒラユウイチ]
1946年生まれ。東北大学法学部卒業。立命館大学法学部教授
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