内容説明
本書は、鬼の形象をもつ鬼神について、祀られ、信仰され、芸能に登場する姿を、中国の各地の調査事例を報告することで、日中の鬼の関係を近づけることを目的とする。
目次
1 鬼の来た道―日本と中国の接点
2 来訪する神々
3 神々の素性
4 神と人との交流
5 祭りの秘儀
感想・レビュー
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noko
3
鬼はどこから来たのか?中国各地の少数民族の祭りや文化を調査し、祭りで行われる仮面劇を通して鬼のルーツを探る。トン族の文化に儺儀がある。主に大晦日などに土老師達をイエに招いて行われる。病気の時、お祝い、成長祈願の時にするが、神様(五方神将や方相氏)がイエにやって来て、悪い死者の霊(鬼神で、不慮の事故で亡くなった人や戦いで死んだ人)を追い払う仮面劇をする。追儺の儀式は政治が変わる事で、特に文化大革命で失われ、今は貴州や雲南などの少数民族で残る。私も以前雲南省で似た劇を見た。日本の神楽などにかなり共通点がある。2023/04/13