ちくま学芸文庫
中華中毒―中国的空間の解剖学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 452,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087430
  • NDC分類 522.2
  • Cコード C0152

内容説明

龍が舞う、鳳凰が飛ぶ、あらゆる間隙が文様で埋め尽くされた空間の中を。異民族である清朝は無の空間を恐怖し、あらゆる空間を箱で組み立て吉祥文様で埋め尽くし彩色した。礼の秩序を重んじた儒教的空間秩序と、自然と和し「気」の流れを重んじる道教的空間秩序が重層的に織りなす「中華文化」は、ひとびとの行動、作法、空間の創造、インテリアなどすべてに影響を及ぼす。「中華=世界の中心」という強靱な文化体系はやがて各地に伝播し変容し独自のスタイルを生み出すが…。東アジアを覆いつくした「中華中毒」という病の諸相を読み解く力作。大平正芳賞受賞作、図版多数。

目次

1 「香港ゴシック」と「加速都市」
2 空間の儒教・風水・道教・共産主義(儒教的空間;風水的空間;道教的空間;空間の共産主義)
3 中華中毒(紫禁城マニア―フエー;「文明」への門―ソウル;東夷のシノワズリ―江戸・琉球;胡虜たちの饗宴―熱河)
4 朝顔一輪咲かせたい(混沌への飛翔)

著者等紹介

村松伸[ムラマツシン]
1954年、静岡県生まれ。東京大学建築学科博士課程修了。工学博士。東京大学生産技術研究所助手。中国清華大学留学、韓国ソウル大学・ハーバード大学客員研究員。『中華中毒』で第15回大平正芳賞を受賞
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感想・レビュー

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Koki Miyachi

7
中国的空間の解剖学というサブタイトルがまさにぴったりくる内容。アジア建築研究の第一人者の渾身の一冊と言ってもいいだろう。見たこともない豊富な図版と、重層的で圧倒的な歴史的ディテールは、筆者の研究の独自性を際立たせ、読み手の好奇心を強く掻き立てる。中国の国際的な存在感が年々強まる今こそ再評価されてもいい。第15回(1999年)大平正芳記念賞受賞作品。2017/03/31

hiratax

1
著者は北京とソウルに留学している。「中華」をとらえるうえで、日本語ばかりではなく中韓の2カ国語と文化に触れる。長き旅である。この本を読み終えたのがマレーシアで、はじめて中国語をもとにした地名がつけられたタイピン(太平)であったのは、意識してのことだろう。2018/05/07

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