愛と憎しみ

愛と憎しみ

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  • サイズ B6判/ページ数 408p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480101273
  • NDC分類 908
  • Cコード C0393

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
表題どおり、愛と憎しみに関する小説や詩などが十数編収められています。海外ものと比べると日本の方がドロドロした感じのする小説が多い気がします。私はこの分野は比較的苦手なのですが、芥川や円地文子の作品はうまいと感じました。解説にかえての井上ひさしさんのエッセイがいい感じでした。2018/10/13

メタボン

21
☆☆☆☆ 子宮がない死口を抱える女の妖艶さが光る円地文子「耳瓔珞」が秀逸。妹に従兄を譲った信子の一抹の寂しさの心情が沁みる芥川龍之介「秋」。兄の美しい所作や弟の裸身がエロチックな岡本かの子「過去世」。お人好し過ぎるがゆえにだらしない夫、織田作之助「天衣無縫」。大雪で婚家にたどりつけず宿の主人の息子に嫁ぐことになる話に自分の身の上を重ねる武田麟太郎「雪の話」。誰もが女郎に対して自分が情夫(まぶ)だと思い込んでいる落語「文違い」。誘拐犯に同情した少女の叫びが印象深い野口富士男「少女」。2018/01/10

ハルバル

9
図書館本。愛するがゆえに憎みきれず、憎みながら愛してしまう割りきれなさ。特にグッときたのは織田作之助「天衣無縫」で、借金してまで人に金を貸そうとする、人が良い?かなり困った夫が出てくるのだが、そんな夫と見合い結婚して欠点を愚痴りながらも愛しむ妻の一人称がたまらない。完全にのろけ(笑)。夫婦のことは他人には分からないものなのだ。反対に、端から見て幸福な夫婦に突如起こった刃傷沙汰の原因は、過去の妻の不貞と夫の凶行にあった…という、壮絶な「ピレートゥー」。見合い結婚が常識で不貞の意味が重いインドならではか。2019/01/15

まーたろ

2
圓生の「文違い」が収録されていたので手に取ったのですが、どの短編もなかなか面白かった。芥川龍之介「秋」、織田作之助「天衣無縫」、武田麟太郎「雪の話」、永井龍男「冬の日」あたりは既婚者にグッとくるかもしれません。折口信夫の未完作品が収録されていたのにちょっと驚きました。アンソロジーに未完の作品って珍しいと思うのですが。2010/05/19

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