目次
人間の死にかた より
「ガリヴァー」の作者の死
親鸞、その晩年と死
世界史の12の出来事 より
血の決算報告書
狂信と殉教
ルネサンス人シェイクスピア
遺書について
川路聖謨
最後の沖縄県知事
蘆花徳冨健次郎 第3部より
謀叛論
悪人礼賛
私の信条
わたしの文章心得
歴史に学ぶ
現代の危機と終末観
マーク・トウェインの戦争批判
主人公のいない自伝 抄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
24
ちくま日本文学全集55巻目。読むのに一年かかってしまったが、とても面白かったのである。スウィフト、ロスチャイルド、親鸞や数々の殉教者達の死と生き様を描く伝記は、血肉を持たせる技術で読ませる。「宗教関連はいろいろ美化されてて真相が不明で微妙」とか、親鸞が死んだ時に特に奇跡が起きなかったので看取った娘ががっかりした話とかしんみりする。戦前の沖縄県島田知事を扱った「最後の沖縄県知事」は、わかっていて死地に就任した知事の矜持と人柄、詳細のわからぬ最期と著者の野球部の先輩後輩の思い出などが入り混じって心に染入る。2017/12/10
bouhito
2
「川路聖謨」の評伝と、「最後の沖縄県知事」がおもしろかった。解説に「この人はいつも怒っていた」とあるが、良くも悪くもえこひいきをできる人だなと思った。いいと思ったことや人物は、真摯に描く。そのかわり、悪いと思ったことは手ひどくかく。好みがわかれるところだと思うが、太平洋戦争中、本土決戦が免れぬ沖縄へ知事としてでむいた叡さんの覚悟、というのはひしひしと伝わってきた。2017/02/05
K子
0
作家に人間味を持たせる紹介の仕方は随一。 明治、大正、昭和を生きた人たちの、今にも通ずる考えにびっくり。 沖縄関連のものもっと読んでみたい。2017/03/04
susie
0
「人間の死にかた」と「蘆花徳富健次郎」の文庫化を望む。2011/05/10