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平凡社選書
兵学と朱子学・蘭学・国学―近世日本思想史の構図

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842258
  • NDC分類 121.5
  • Cコード C0010

内容説明

近世の支配思想は兵学である。人切庖丁を腰に提げた者らの統治思想たる兵学、地に足がつかない理念倒れ だからこそもちうる朱子学の批判的可能性、カネの威力がもたらす社会的解体状況のなか、自立せる強者の思想・蘭学、理不尽な不幸に拉がれる弱者のルサンチマンが醸成する国学―鮮やかに描き出される近世思想の新構図。

目次

近世日本思想史の四本軸
1 兵学(兵学と士道論―兵営国家の思想;中国明代の兵家思想と近世日本)
2 朱子学(「武国」日本と儒学―朱子学の可能性;古賀〓(とう)庵の海防論―朱子学が担う開明性
女性解放のための朱子学―古賀〓(とう)庵の思想2)
3 蘭学(功名心と「国益」―平賀源内を中心に)
4 国学(近世天皇権威の浮上;太平のうつらうつらに苛立つ者―増穂残口の思想とその時代;本居宣長の「漢意」批判;大嘗祭のゆくえ―意味付けの変遷と近世思想史)

著者等紹介

前田勉[マエダツトム]
1956年生まれ。東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。愛知教育大学教授。専攻、日本思想史学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

iwasabi47

2
再読。兵学部分だけ。面白いから最後まで。国学が資本主義に対して敗者のルサンチマンとはキツイ一言。21世紀でも同じ現象が起きている事を憂う。2021/07/23

y_nagaura

2
「江戸の読書会」がおもしろかったので、前著を図書館にて。江戸の基本思想は朱子学ではなく兵学で、江戸時代は戦時体制のまま維持された、という見方が新鮮でした。元禄期から貨幣経済が進行し、国学にルサンチマンが読み取れるという指摘も面白い。まだ消化しきれない部分もあるが、この時代の学問はとても面白いことが分かりました。2016/05/01

tkm66

1
あ!これ傑作ですよ!当時周りに薦めても誰も読まなかったが2006/03/18

たらら

1
残念ながら「構図」というほどのダイナミズムは感じられない。論文の寄せ集めだからいたしかたないところもあるが。日本には兵農工商はあるが、士はない、という当時の中国人の指摘は興味深い。武国でありながら文民統治を行う理を求めた近世という時代を象徴する指摘と言えるかもしれない。2010/05/15

きさらぎ

0
興味深くは読んだ。ただ割と大袈裟なタイトル及びサブタイトルがついてるけど(失礼)中身は「論文集」といったほうが正確かな…。一応章立てはされてるんだけど展開してないといういうか、それぞれが独立の論文だと思って読んだ方がいいかなという気がした。特に「蘭学」の章で平賀源内をメインにするのは少しばかり無理があるのでは。第一章の山鹿素行を題材にした兵学と国家統治論の関わりや、第二章で取り上げられていた古賀侗庵などが面白かった。2014/06/29

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