目次
中世歌壇の展開
中世勅撰集の展開
新勅撰和歌集
玉葉集と風雅集
新葉集
中世の私撰集
中世の歌人(源実朝;京極為兼と京極派歌人たち;二条派の歌人たち―和歌四天王の詠法;正徹―蛍の歌から;細川幽斎―衆妙集所収の「百首」瞥見)
中世の歌学と歌論
藤原定家の為書群の成立とその意義
和歌から連歌へ
古今伝受の成立と展開
中世和歌研究の現在とこれから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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改めて読み返すと理解できてなかったと再認識できたのに加えて、より多くの面白い点や問題点を見出すことができたように思われる。やはり良書である。二条家歌人の項が実際には単なる歌風の検討に近かったのは残念だが、勅撰集の展開はかなり重要な指摘が多かったと思う。十三代集が歌道師範家の確立の証として利用されたこと、続後撰が花実論の中で花実が相通の集であると近世で見られているとの指摘、続古今集が新古今集の位置に置こうとしたこと、新勅撰集が当代の歌を非難し「すがたしなおに心うるわしき歌」を入集させているということなどだ。2014/05/31
山がち
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ある程度一般に開放した講座という風には刊行の辞からは読めるのであるが、相当専門的ではないだろうか。少なくとも、世界思想社の「和歌史を学ぶ人のために」よりははるかにそうなっている。しかしその分、理解できないところも得るものも多かった。勅撰集の十三代集をはじめ、二条派和歌やその周辺が研究されているということは喜ばしい限りであった。そして、その勅撰集は、京極派の陰に隠れている向きもあるが、それぞれが独自性を持っており、勅撰集全体の流れに位置づければ大きな意味を持ってくるというのは、非常に貴重な指摘だと思われた。2013/11/24