• ポイントキャンペーン

外山滋比古著作集〈2〉近代読者論

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048527
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C1395

出版社内容情報

垂水書房版の『近代読者論』が刊行されたのは昭和38年であった。そのとき出版社の人が書店まわりをしたところ、書店のおやじさんに、「書名に誤植ができてしまって……」と慰められたという。数多ある「読書論」の類とちがって、「読者論」はそれほど知名度が低かった、いや、存在しなかったといってもよいだろう。いまだに、『近代読書論』の著者と紹介されることがあるという。

むかしは文学も音読され、共同体の財産であった。作者も読者も独立しておらず、交換できるものであった。それが活字本以後、作者と読者はバラバラになり、長いあいだ、読者は作者よりも一段低いレヴェルに落とされてきた。

しかし、テクストをあるがままに(作者の意図のままに)理解することは可能だろうか? この疑問から、〈近代読者〉が誕生する。読者は作者とは違う読みを実践し、原テクストの〈異本〉を創り出すのである。ここに至って、読者は作者から独立し、〈読み〉をとおして創造に参加することになる。世界に先駆けて、ユニークな〈受容理論〉を展開した画期的な成果。全8巻。 第4回配本。

外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、1956年東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授。1962年、文学博士。1989年お茶の水女子大学名誉教授、昭和女子大学教授。1999年同大学退職。『修辞的残像』『近代読者論』により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』でその実践をしめす。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』から『古典論』へと展開。これとは別に、日本について『日本語の論理』、俳句にかんして『省略の文学』『俳句的』などを発表。同時に折にふれてエッセイを書いた。

内容説明

テクストを“読む”とはいかなる営為なのか?音読から黙読、写本から活字本へと読者の変容をたどり、“読み”の創造性を定立した、受容理論の先駆的著作。

目次

1 近代読者論(読者の誕生;「のぞき」;読む;異本の原理;イメジ雑考 ほか)
2 読者の世界(読者論の前提;読者のスタイル;作品と読者の対話;黙読の問題;グーテンベルグ革命 ほか)

著者等紹介

外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授、同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士。『修辞的残像』(61年)、『近代読者論』(64年)により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』(72年)でその実践を示す。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rbyawa

1
j088、現代的な文学研究として紹介されていた中で佐藤愛の読者論が先に語られていたがこの本のほうが先行か、まあ語学感覚から修辞を語りその変遷を文明の段階によって分析するのもなかなか独特な気もするけど、いや、普通扱うのって一部分だよね、ある意味で修辞学や美学の再構成になっているのかなー、で、それを念頭に日本の文学を語るところまでは行かなかったものの、まあ、「日本近代文学」が文明レベルがものすごく低い段階なのは多少文学知識があるとわかるので…反応がなかったと寂しそうに言われても、次世代待つしかなかったよね…。2019/08/04

Lieu

0
エッセイストの著者の、本職の文学研究者としての本格的研究書と思って読んだが、学問的行論ではあるものの、本質においてエッセイ=「試み」であることには変わりない。 著者のほかの本と同様、読者論についての様々な種を蒔く本であり、いつかその種が芽を出し果実が摘み取られることは、後世の研究者に託されている感がある。 読者論として「外国文学」はあくまで「外国」の文学として読めばよいという主張が繰り返されるが、それと生涯留学しなかったということが著者の中で言行一致していて、清々しい。2021/10/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1190872
  • ご注意事項