みすずライブラリー<br> サバルタンは語ることができるか

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サバルタンは語ることができるか

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  • サイズ B6判/ページ数 145p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622050315
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C1310

出版社内容情報

従属的位置にある女性について、知識人は語ることができるのか。ポストコロニアル批評の傑作。

内容説明

フェミニズムとポストコロニアルの問題圏の交差点に定位しつつ、サバルタンの女性と知識人のあり方をめぐって展開される目眩く筆致。従属的地位にあるサバルタンの女性について、知識人は語ることができるのか、フーコーやドゥルーズを批判しながら、一方でインドの寡婦殉死の慣習を詳細に検討した、現代思想の到達地平。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

31
サバルタンとは非従属社会集団のことです。最後に「サバルタンは語ることができない」と書いてあります。当事者しか言えない、政治性を含意した言葉でないと言えないといったことはいっけん正しいですが、かえって社会の語りづらさの遠因だと指摘することは必要です。前半は何が書いてあるのか、文の継起的繋がりからは分からないテクストです。マルクス主義的な世界システム批判だとしても、現在の世界やそれを表象する言葉を手掛かりに「語ること」しかないはずで、「語ることができない」と語ることで何かを信じていることは言明されています。2019/03/12

松本直哉

28
夫の死後遺体を焼く薪に身を投げる寡婦殉死の慣習をめぐって、「悪習を根絶して女性を救った」と自慢する旧宗主国の英国も、「彼女等は自らの意思で殉死した」と貞節を称えるインドの男性も、ともに自らを正当化するだけで彼女らの声には耳を傾けようとしない。何世紀も沈黙させられてきた女性たちはいまさら語ることはできない。できるとすればそれは彼女らに「語りかける」こと、あるいは語りかけそこなうこと。語りかけるためには彼女らの目を見なければならない。いままで男性たちは一度でも彼女らの目を見たことがあっただろうか。2020/08/19

またの名

20
もちろん語ることは簡単でないと言いたい本なので、恵まれたヨーロッパ世界にも白人にも知識人階級にも富裕層にも男性支配層にも属してないサバルタンの声は、書かれない。白人エリート男性のドゥルーズやフーコーが左翼嫌悪を示して開かれた解放の言説を語るのを欺瞞と告発するも彼らから多くを学びとる同じ手つきで、男性主義・帝国主義的でありながら「ヒステリー患者に声を与えたい」と願ったフロイトの仕事に著者が見つけたのが、センテンスの技法。患者たちが提供した多くの似た話から一つの文を構築する両義的な手段だが、それもまた不完全。2017/04/24

白義

17
死んだ夫の火葬に妻が生きたまま殉じるという風習、サティ。それは近代的ヒューマニズムからは女性を苦しめる蛮習と言われてきた。しかし、それは一面では、植民地を未開の野蛮人として見下す近代知の傲慢でもある。しかし、伝統主義者に従って実は寡婦たちは殉死を望んでいる、と言うのも無論正しくない。こうした寡婦に代表される「サバルタン」とは、いかなる語り方にあってもその声を代弁したり出来ない、幾重にも抑圧、抹消された声を持つ人々だ。これはそんな人々が何かを語り自らの立場を表明できるのか、その困難を巡る歴史的な名論文である2018/04/22

yamikin

11
ゆっくり噛み砕きながら二回読んだ。デリダやフーコーやサイードもわかっていないとしっかり読み進められない。スピヴァクの議論はサバルタンだけが取り上げられ、単純に「語れぬもの」として抑圧された主体のない者みたいに捉えられがちだけど、話はそんなに単純ではない。彼女はデリダの影響を受けていることもあって、そういうわかりやすい構図を避けながら論を展開している。ゆえに、サバルタンの要約は筆者が嫌う行為だろうし、読了した者は安易にそれをしたがらないはず。安易にサバルタンを語る人は実はちゃんと読んでないはず笑2012/02/20

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