内容説明
『史記“列伝”』は、深く歴史に関わり、後世忘れることのできない多様な人間像が、ドラマチックに描かれたものである。地位の高低、事の成否を問わず、大臣・将軍・学者・商人から侠客・刺客にいたるまで、一代で名声を馳せ、あるいは不遇に生涯を終えたとしても後世に名を残すような人物を取り上げている。
目次
伯夷列伝
管・晏列伝
老子・韓非列伝
孫子・呉起列伝
伍子胥列伝
商君列伝
張儀列伝
孟嘗君列伝
魏公子列伝
楽毅列伝〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
12
斉の名臣「管鮑の交わり」管仲、『韓非子』韓非、『孫子』孫武、呉の名臣「死体を鞭打つ」伍子胥、秦の宰相法家商鞅、縦横家張儀、戦国四君「鶏鳴狗盗」の孟嘗君、燕の名将楽毅、趙の名将廉頗、趙の名臣「刎頸の交わり」藺相如、始皇帝の刺客荊軻、秦の丞相李斯などを紹介している。列伝は形式上、一人を主とするもの、二人を組み合わせたもの、題目によって複数の人物を集めたものの3種類に大別される。篇題に二人を挙げる場合、その選択・配合には司馬遷の意図が窺える。例えば老子韓非列伝は韓非が老子の学説の継承者であるという認識を示す。2024/03/27
くろまによん
2
古代の叡智。歴史を知らない人間は闇の中に居よ、だっけか。教養とは歴史に対する態度である、とも。2013/05/19
えびおばさん
1
史記はやはり非常に面白い。 昔の話であるのに人の欲望が見事に書かれていたり、その中で偉人の話があったり読んでいて考えさせられる事がとても多い。 どんな組織も人の感情で色々出来てるんだよなぁ。 昔の王朝がどのように駄目になったかを知ると会社の荒廃もちょっと予測出来るんじゃないかなと思ったり。2022/05/26
湯豆腐
1
春秋戦国期の人々の列伝。将軍、政治家、匈奴、侠客まで、まさに綺羅星の如くで、歴史の面白さが凝縮されている。2014/10/13
sonohey
0
史記ダイジェスト。漢の太史令司馬遷による、将軍、宰相、公子、諸子百家、刺客たちの記録。大作のモチベーションは自身の不遇な環境にあったとされるが、歴史の脇役たちにスポットを当てその存在を後世に残そうとした(結果残った)姿勢には、どのような思惑があったのだろうか。仕事と割り切ってしまえばそれまでだが、英雄の記録を後世に伝えることにどのような意義を見出していたのか気になる。2014/11/22