内容説明
日本の墓制には、死体を埋葬する墓地(ウメバカ)と、石塔をたてる墓地(マイリバカ)を、まったく別々に離れて設けているような地域がある。それを民俗学では両墓制と呼ぶ。本書は、民俗資料・文献史料・石造遺物など性格の異なる資料を豊富に活用し、その問題点を総合的に検討した。日本人の深層に潜む霊魂観、他界観を探究した待望の書。
目次
第1章 両墓制の概念(両墓制研究史;両墓制・単墓制・無墓制;両墓の呼称)
第2章 両墓制の成立と展開(石塔立地の多様性と両墓制成立の前提;近世墓塔の定着と両墓制の成立・展開・他界観)
第3章 両墓制と葬送墓参(埋葬墓地と石塔;両墓制と墓参習俗;洗骨改葬と両墓制)