出版社内容情報
《内容》 一般的に精神医学は理解困難な学科の一つと考えられがちである。事実、精神医学は方法論的に自然科学的方法のみでは説明し尽くされないところがあり、心理学的・社会学的な文化科学的方法の助けも借りなければならない。そこで本書は充分に理解できない哲学的・心理学的事項やそれらの理論的記述はできるだけさけ、臨床的事実の記載を中心に臨床の実際に役立つように記述され、無駄を省き習得すべき知識を整理し重点詳述主義に徹している。したがって、本書は患者を前にして、症状をとらえ→症状群にまとめ→疾患の診断へとすすめてゆく診察の手順に応じた事項の配列が考えられており、あとに治療や処置について触れる方式が取られている。また、可能な限り最近の臨床的知見や治療法なども記述されている。
《目次》
I 総 論
1章 序 論
1.精神医学の対象と歴史
2.精神医学における疾患概念
2章 精神疾患の原因と分類
1.精神疾患 (障害) の原因論
2.精神疾患の分類
3章 症状と症候
1.精神症状
2.精神状態像 (症候群) および神経心理学的症候群
3.身体症状
II 各 論
1章 機能精神病
1.統合失調症
2.感情精神病 (躁うつ病), 気分障害
2章 身体因精神病
1.外因精神病
2.器質精神病
3章 神経症性障害と人格障害
1.神経症性障害
2.心身症, リエゾン精神医学
3.人格障害と行動の異常
4章 老年精神医学
1.器質性老年期精神疾患 (障害)
2.非器質性老年期精神疾患 (障害)
5章 児童精神医学
1.幼児期, 児童期発達障害
2.児童期精神疾患 (障害)
III 精神医学的検査
1.予 診
2.面 接
3.臨床心理テストと症状評価尺度
4.臨床検査法
IV 治 療
1.特殊療法 (身体的特殊治療)
2.薬物療法 向精神薬
3.精神療法
V 精神保健と法律
1.精神保健 (予防精神医学) または精神衛生
2.精神医療と法律