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目次
仏蘭西人形(堀辰雄)
雛がたり(泉鏡花)
人形の墓(小泉八雲)
人形のお供―幼きものに 七四(島崎藤村)
人形(江戸川乱歩)
菊人形(宮本百合子)
人形と人間と(大仏次郎)
人形とよばれるもの(山田徳兵衛)
人形の話(折口信夫)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
10
小泉八雲、江戸川乱歩、佐多稲子、津島佑子、金井美恵子、種村季弘、澁澤龍彦を読む。密やかなもの。硬く、冷たく、脆く、妖しく、甘やかで、透明で、繊細で、艶やかなもの。魅惑であるもの。黙して佇み、物憂げに、冷酷に、煌めき続けるもの。けれどもやはり、金井美恵子が嬉しい。遠い記憶を引き出し、心当たりを刺激する金井美恵子の2ページが。〈小さなキャラコのパンツをはかせてやったり、古くなった皮の手袋をこわして靴に縫い直してやったり、古道具屋で小さな玩具の瀬戸物のティー・セットを買ってきてあげたり〉する、わたしのお人形…。2018/02/16
nightU。U*)。o○O
1
このシリーズに初挑戦。よくもまあ種々雑多にこれだけ多様なかたちで人形を扱ったものを集めたと思うが、どの一篇を取り上げても読後には登場した人形それぞれの動かない顔だけが焼きつけられる。人形を史的に捉えたもの、思い出の中の人形を語ったものとに分けられると思うが、そのいずれにせよ取り上げられた人形はいまも見た目を変えずに残っているのだと気づくとなかなかに凄みがある。なんだかだ巻頭の堀辰雄の詩がもっとも良かったかも知れない。2015/06/30
糸くず
0
四谷シモンの「シモンスキーの手記」が別格。「私は神になりたい」という言葉がこんなにも切実に聞こえる文章は稀だと思う。2010/01/19