- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > エッセイ
- > エッセイ アンソロジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗姫
3
藤島武二『画室の言葉』を目当てに。「読画」の精神をもって絵に対するべき、と画伯は言う。〈南画系の画題〉とは、〈讃〉の事だろうか。〈讃〉を読み下す漢詩の知識は戦前であれば誰しも備えていたのか、敵わないな。「絶対に書き直しをしない心持の日本画」と、「体力のすべてを動員し、修正に修正を重ねて完璧なものにする油絵」を混同して見ることは注意しろ、とも。洋画の第一人者である筆者にして「日本人としてのエスプリ」を説く、時局の要請とも言うべき、籠もって方向性の定まらぬエネルギーを感じる。エスプリか・・・深い言葉だ。2014/08/03