内容説明
母ローラの「小さな家」シリーズ執筆を陰に陽に支え、20世紀前半の旧弊な道徳観に敢然と立ち向かい、自立した人間として己の道を切り拓いていった女性の、冒険と創造にみちた生涯を、貴重な写真とともに。
目次
第1章 大草原の子ども時代
第2章 オウザークの日々
第3章 ひとり立ち
第4章 サンフランシスコ時代
第5章 ニューヨーク、ヨーロッパ赤十字、近東支援
第6章 ロッキーリッジ、そして再びアルバニアへのあこがれ
第7章 開拓時代の物語
第8章 「信念の勇士」
第9章 ダンベリーの小さな家1950~60年
第10章 忙しい女性1960~65年
第11章 ヴェトナム、テキサス、そして最後の旅立ち
著者等紹介
アンダーソン,ウィリアム[アンダーソン,ウィリアム][Anderson,William]
作家、歴史家。サウス・ダコタ州立大学で英文学の修士課程を修了。ローラ・インガルス・ワイルダー研究の第一人者。15歳で「インガルス一家の話」を出版する。それ以来、ローラとその家族に関する本を多数書いている
谷口由美子[タニグチユミコ]
翻訳家。上智大学外国語学部英語学科卒業。アメリカに留学後、児童文学の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pino
122
「小さな家シリーズ」のファンの母に頼まれ、毎晩一章ずつ朗読。激動のアメリカ社会で、作家、ジャーナリストとして活躍したローラの娘、ローズの生涯が多くの資料とともに記されている。ローズは冒険心に満ち多少の危険もものともせず国々を渡り歩く一方で手作りの生活を大切にする人でもあった。驚いたのは、個人主義をとなえる彼女の強固な信念だ。不屈の開拓者精神は、ワイルダー家、最後の一人となったローズにも流れていたということだろうか。脈々と受け継がれた才能が苦難の時代を経て、バラのように開花したとは。胸が熱くなる一冊だった。2023/06/22
ロピケ
5
アメリカの自由主義思想が根深いのは何故なんだろう?と長い間、疑問だったけれど、この本を読んで根っこに開拓者精神があることを初めて知った、というか、気づくことが出来た。大きな政府より小さな政府。ヨーロッパ型の高福祉はお呼びではない感じ。確かにローラの生活を思い描けば、苦難を乗り越え、ちょっとやそっとじゃ参らないぞという気迫を国民感情にインプットされているのだろうなと納得。ローズの生き方は、読んでいてワクワクさせられた。でも、日本人の私としては、「高」は実質的に付かなくとも、福祉のある国が住みやすいかな。2013/08/28
がんぞ
3
『大きな森…』にはじまる『インガルス家の物語』はすでにレポーター&作家となっていた娘ローズによって監修されていた。1932年は大不況の最中だったが、この本はよく売れ、やがて古典となった。ローズには母ローラの本が「単なる素朴な開拓物語」ではないとわかっていた。真の個人主義…それはローズの信念でもあって左翼的なニューディール政策に反対して「農場で自給自足して配給カードを受け取らず、売文をしないので所得ゼロで所得税を払わない」生活を送った。/ベトナム戦争取材で6週間滞在したとき76歳。ジョンソンと民主党を嫌い…2018/12/09
Yumikoit
0
ローラ・インガルス・ワイルダーの娘がローズだってのも知ってたし、「小さな家」だけでなく「ロッキーリッジ」の方のシリーズも読んでたんだけど、どうもローズが私が生まれるほんの数年前まで生きてたってところでタイムスケールが分かんなくなってくる…。2011/09/09
Mangokun
0
★★★★★