出版社内容情報
類書なし。求められていたパウロ伝。
キリスト教の初期のみならず2000年を通じて最大の伝道者、神学者と讃えられるパウロ。新約聖書最古のその文書(真筆7書簡)は、今なお測り知れない影響力を全世界に及ぼしつづけている。しかし、伝記的な事柄についてはあまり知られていない。
パウロはいかにしてパウロとなったか?
本書は、全身全霊をもってライオンのごとく、神にだけ仕えたそのひととなりと戦いを、聖書ほか古代文献の精査と研鑽にもとづきつつ、肌理細かく、かつ骨太に描く歴史小説。行文にスピード感があり、1000余のページを一気に読ませて飽きさせない。日本人にもゆかしく感じられる人間味豊かな人々、さまざまな魅力を湛えた女性たちがパウロ身辺に登場するとともに、ユダヤ人、ギリシア人、ローマ人の民族性もまた鮮やかに浮彫りされる。
著者まえがき──「私は、彼がどういう人だったのか、私たちと同じように絶望や疑いや不安や憤り、さらには『肉欲』を抱えた人間としての彼に関心がある。多くの書籍は使徒としての彼を扱っている。私は不屈の聖人としてだけではなく、人間としてのこの人に関心を持っている」。
原書 Great Lion of God は1970年初刊後、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに8カ月間連続掲載され、その年のアメリカ・ベストセラー書籍年間トップ10に、ヘミングウェイらに伍して5位に入っている。また多くの団体から推薦図書の指定を受けている。
著者はイギリス生れのアメリカの女性作家(1900ー85)。1934年の、南北戦争前後を舞台とする武器商人の登場する大河小説の首巻となった Dynasty of Death を皮切りに、1980年まで本書のような歴史小説を含めて執筆活動を続けるなか、数々のベストセラーを生み出し、各種の賞を得る。
監訳者は『誤訳迷訳欠陥翻訳』で有名な元上智大学教授。
読みやすさ、持ちやすさを求めての、三分冊(一括函入り)で一体の本。分売はできません。