内容説明
マルクスの歴史感覚とケインズの制度感覚の交点に立ち、『アナール』の精神を継承、ブルデューの概念を駆使し、資本主義経済は勿論、社会主義や南北問題を解明。工業中心の分析から、サービス経済、国際金融、そしてエコロジーへと展開するレギュラシオン派の21世紀への提言。
目次
序 日本―レギュラシオンの問題意識にとっても豊饒の地
1 東欧改革と社会主義
2 レギュラシオン理論と日本
3 レギュラシオン理論と日本
3 レギュラシオン理論の現在
4 レギュラシオン理論の展望
5 経済学と歴史学―新しい協力関係に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チバタリアニズム
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文化や社会に埋め込まれた市場と発展2015/12/09
飛燕
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ボワイエのインタビュー、およびボワイエの論文(フランス語)から構成されているが、ボワイエがどうして「レギュラシオン理論」に行き着いたのかが語られているのであって、レギュラシオン自体が語られているわけではない(と思う)。興味深い論点は、経済研究と歴史研究をミックスさせようとする問題意識をもっていること。いわく、地域や文化に特有の経済システムが形成されるのだから、経済理論を組み立てるときは、その地域の歴史を必ず知らなければならない。かつて数量経済史で隆盛を極めた「アナール」の後継者たらんとしているのも面白い2013/11/08