出版社内容情報
人々が様々な個人データをもとに振り分けられ,格付けされる現代社会.発達する監視・管理システムは,自由や平等をどのように侵食しているか.「見ること」と「見られること」を社会学,政治学,情報学などの知のネットワークのなかで理論的・歴史的に跡づけ,現代における監視の意味を問う,新たな学問世界への誘い.
内容説明
人々がさまざまな個人データをもとに振り分けられ、統治される現代社会。ますます発達し、増殖するデジタル社会の監視と管理のシステムは、自由や平等をどのように侵食しているのか。そして、そもそも人間にとって「見ること」「見られること」の意味とは何なのか。本書は、多様な知のネットワークと今日まで蓄積されてきた知見をいかにして現代における監視を理論的・歴史的に深く掘り下げ、批判的に問い直す新たな学問世界、「監視スタディーズ」へと読者を誘う。
目次
第1部 視点(見張られている今日の世界―監視の定義と座標軸;広がる監視の場―軍事、行政、労働、治安、消費の五領域;監視を説明する―理論はどう発達してきたか)
第2部 視覚(情報、識別、目録―前近代、近代、ポスト近代の監視形態;セキュリティ、疑い、社会的振り分け―都市で先鋭化する監視;身体、境界、生体認証―グローバル化する監視)
第3部 可視性(監視、可視性、大衆文化―監視体験はどう表現されてきたか;監視をめぐる闘い―多様な抵抗のかたち;データ、差別、尊厳―透明性と人格の主張)
著者等紹介
ライアン,デイヴィッド[ライアン,デイヴィッド][Lyon,David]
カナダ・クィーンズ大学社会学部教授、同大監視スタディーズ・センターのディレクター。カナダ社会科学人文研究評議会から約2億5000万円の助成金を得て、国際共同プロジェクト「新しい透明性を求めて:監視と社会的振り分け」を主催。監視の帰結として「社会的振り分け」に注目し続け、近年はIDカードと識別が市民権に与える影響について研究
田島泰彦[タジマヤスヒコ]
上智大学文学部新聞学科教授。憲法、メディア法。ライアン主宰のSurveillance Projectのメンバー
小笠原みどり[オガサワラミドリ]
フリーランス・ライター。1994年、早稲田大学法学部卒、朝日新聞入社。西部本社社会部記者などを経て、2004年退社。米スタンフォード大でフルブライト・ジャーナリスト研修。2008年、クイーンズ大大学院修士課程(社会学)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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