出版社内容情報
英雄オデュッセウスの漂流と帰国をめぐる波瀾万丈の物語.2800年前に作られたと伝えられる叙事詩が,『ユリシーズ』をはじめとする20世紀文学に圧倒的な影響を与えたのはなぜか.青年の日のゲーテを魅了したこの作品の,現代人が耳を傾けるべきメッセージとは何か.豊かなイメージを喚起する,叙事詩航海の羅針盤となる本.
内容説明
戦場を離れ、セイレンの誘惑、巨人や怪物との対決、仲間との別れ、死者の国の旅、孤島での鬱屈の日々など、数々の試練を経て帰郷する英雄オデュッセウス。一方、二〇年間故郷で夫を待ち続ける妻ペネロペと、父の消息を求めて旅に出る息子テレマコス。古来、人々を魅了してきたこの叙事詩は、後世、さまざまな文学的変奏曲を生み出した。物語に魅力を添える構造の美とは?さまざまな苦難のすえに、主人公が獲得した新しい名誉観とは?『オデュッセイア』の世界を航海する羅針盤となる本。
目次
第1部 書物の旅路―ホメロスの航跡をたどる(二〇世紀の『オデュッセイア』;叙事詩の誕生;変容と反発の時代;原典への回帰)
第2部 作品世界を読む―言葉の海へ漕ぎ出す(物語のあらまし;幾何学的構成―全体と放浪回顧談を貫く秩序;放浪から復讐へ;「戦争」を後にした英雄)
著者等紹介
西村賀子[ニシムラヨシコ]
1953年、大阪市生まれ。1982年、京都大学大学院文学研究科(西洋古典語学西洋古典文学専攻)博士課程修了。現在、和歌山県立医科大学教授。西洋古典文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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フリウリ
七草奈々子
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