岩波科学ライブラリー<br> さえずり言語起源論―新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ

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岩波科学ライブラリー
さえずり言語起源論―新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ

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  • サイズ B6判/ページ数 121p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000295765
  • NDC分類 488.1
  • Cコード C0345

出版社内容情報

進化的な起源の異なる小鳥の歌が、言語進化の謎に迫るカギとなるのかなぜか。初版刊行から7年半、性淘汰起源説に相互分節化仮説が加わった。「言語の起源は求愛の歌だった」とする進化のシナリオを、自身の研究者人生とともに描く。

内容説明

ジュウシマツの歌には「文法」がある―これが転機をもたらす大発見だった。進化的な起源の異なる小鳥の歌が、言語進化の謎に迫るカギとなるのはなぜなのか。初版刊行から7年半、性淘汰起源説に相互分節化仮説が加わった。「言語の起源は求愛の歌だった」とする進化のシナリオを、苦労と喜びと興奮が満載の研究者人生とともに描く。

目次

1 小鳥の歌とヒトの言葉
2 複雑な歌をうたうジュウシマツ
3 ティンバーゲンの理想
4 ジュウシマツの歌と四つの質問
5 四つの質問を超えて
6 住環境と歌の複雑さ―台湾での野外調査
7 氏か育ちか
8 歌は編集され学ばれる
9 さえずり言語起源論―歌文法から言語の文法へ

著者等紹介

岡ノ谷一夫[オカノヤカズオ]
1959年栃木県足利市に生まれる。1983年慶応義塾大学文学部心理学専攻卒業。1989年米国メリーランド大学心理学研究科博士課程修了、Ph.D.(生物心理学博士)取得。その後、日本学術振興会特別研究員、千葉大学文学部助教授、理化学研究所チームリーダー等を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。科学技術振興機構岡ノ谷情動情報プロジェクト研究総括を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

299
読みやすい内容にまとめられているが、この分野の先端的な研究と、これまでの歩みとを紹介する本格的なもの。著者はこれまで主に鳥(十姉妹)のさえずりを研究してきた(ハダカデバネズミなども)。結論的に言えば、言語の起源は性淘汰にあるのではないかという仮説を、鳥のさえずりから導いたもの。もちろん、そこに大いなる飛躍があることを著者は重々承知しているが、一つの可能性を開くものであることは確かだ。研究成果そのものも興味深いが、同時にそこにいたるまでの若き研究者たちの姿勢と努力もまた読んでいて実にすがすがしい。2017/01/07

翔亀

45
キビタキの囀りに夢中だったので一気読み。こちらは飼鳥のジュウシマツ(十姉妹)だが、その囀りを徹底的に研究して驚くべき結論を導く。動物の研究は、脳科学ともいわれる神経行動学と、行動生態学に分離し近親憎悪の状態だという。前者は脳と行動の関係を解剖して分析する室内派。後者は、フィールドに出てなぜ鳥がそんな行動をとるのか観察し続ける。著者は多くの研究機関を渡り歩き、融合する。そして出た結論が、「歌、すなわち囀りが、言語のもとになった」ということ。20年の十姉妹の色々な実験と観察から積み上げられる過程が圧倒的だ。 2015/05/10

へくとぱすかる

35
鳥のさえずりが、直接に人間の言語と比較できるわけではない。しかし、もっと大づかみな点からのアプローチであり、納得できる研究である。研究対象がジュウシマツであることがおもしろい。天然には存在せず、250年の歴史しかない鳥だが、入手が簡単で飼育しやすいことも、研究対象として絶好だったに違いない。研究過程をなぞったドキュメントとして書かれていて、現場の空気が伝わってくるようだ。2015/11/11

そふぃあ

21
歌から言語が発生した って言ったらアレだけど、文法と意味は別々に発生して、ある時点で融合して言語になった って言えば画期的な仮説 かも。2014/07/07

メイロング

7
一気に専門濃度が上がった。なにが知りたいのか、そのためにどう実験したらいいのか、研究者ははっきりさせて手を動かす当たり前の事実が妙に新鮮。私の理解力のなさから、ライト版の「言葉はなぜ生まれたのか」以上の発見ができない。ジュウシマツは歌のレベルが一定を超えるとメスを無視して孤高の音楽活動に入る話が聞きたかったんだけど。2015/10/28

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