出版社内容情報
施行から70年。私たちはこの憲法をどれだけ使いこなし、その理念を自らのものにすることができたのか。自身の憲法体験から、憲法を「活かす」ためのヒント、現在の憲法論議への提言まで。さまざまなジャンルの53人がさまざまな視点から憲法を語った、53人の憲法論。
内容説明
施行から70年。私たちはこの憲法をどれだけ使いこなし、その理念を自分たちのものにすることができたのか。自身の憲法体験、自らの憲法観、憲法を活用するためのヒント、改憲をはじめとする憲法論議への提言、憲法をめぐる深い洞察等々、さまざまなジャンルで活躍する53人の発言。巻末には日本国憲法全文を収録。
目次
1(理念は力を持っている(坂本龍一)
想いをつなぐ(竹下景子) ほか)
2(学校、職場、そして報道の現場で、いま(永井愛)
変えるべきは社会(仁藤夢乃) ほか)
3(宛先はどこなのか(熊谷晋一郎)
おかっぱとヘアゴムの「尊厳」(黒澤いつき) ほか)
4(ガラス細工の至宝(笙野頼子)
憲法に責任を押しつける前に(PANTA) ほか)
5(多様性の器としての憲法(平野啓一郎)
未来へ向けた人民のための導きの星として(原寿雄) ほか)
6(立憲国家のメルトダウン(西谷修)
無題(鹿島徹) ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tui
19
押し付けられた憲法、という論の視野の狭さ。そして、戦争を禁止する条項を入れるよう当時の幣原首相がマッカーサーに提案した事実の重さ(を無視している改憲論者の罪のさらなる重さ)。現首相が改憲したがっているのは知っていても、そもそも憲法のことを私はよく分かっていなかった。それを教えてくれた本です。自民党の改憲草案は、ネットなどで一読の価値あり。今あるものを否定することは簡単だし、より良いものがあるのなら、変えればいい。ただし、与党の公式な改憲草案がこの酷さでは、それでも彼らに改憲を委ねたいとはとても思えません。2017/07/24
浅香山三郎
13
『私の「戦後70年談話」』に続くシリーズ。様々な切り口から著者各位の憲法観、憲法体験、憲法の内実化が語られる。比嘉慂「ガンバレニッポン、ガンバレニッポン」、半藤一利「第九条のこと」、佐藤直子「免田栄さんの黒髪」、久米宏「六時二秒前」がとくに印象に残つた。2020/12/11
seki
13
護憲派というか、今の政権下での憲法改正に疑問を持つ人々の意見集といったところか。様々な分野の著名人が現憲法への思いを綴っている。ただ、感情論だけで、改憲反対という意見も少なくなく、そこが残念な印象である。大学で法律を専攻した私としては、今の憲法は押し付けでもないし、あの短い期間で制定したとは全く考えられない素晴らしい憲法だと思っている。かといって、このままで良いとも思わない。しかし、憲法は普遍的かつ国民全体のものであり、時の政権によって、内容が左右されるべきではない。憲法とはそういうものと思っている。2019/11/16
まさこ
7
理念と現実が違うこと。憲法と日米安保。日米地位協定。沖縄問題から見えてくる。平和維持活動と集団的自衛権の混同。専守防衛。押し付け憲法論、具体的な箇所は。諸国民との協和とグローバル時代。(地方の首長選挙方法)。不断の努力が必要ということ。「政府の行為による」戦争の惨禍、自国に専念して他国を無視してはならないという前文。2019/08/18
marineblue
7
いろいろな人が憲法に対する様々な考え方を持っていること、そして、これまでのように単純に「護憲派」「改憲派」とくくることが難しいということがわかる良書。今、国民一人ひとりが(もちろん私自身も)自国の憲法について、もう一度しっかり考える時が来ていると強く思う。憲法って、一見一般国民からは遠い存在のようにも思えるけれども、実は生活と直結しているものだから。2017/07/26