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岩波現代文庫
ロック『市民政府論』を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003043
  • NDC分類 311
  • Cコード C0131

内容説明

ひろく政治・憲法構造を解く鍵はジョン・ロック(一六三二‐一七〇四)の読み方にある。市民政治理論の古典的形成者であったロックは、ヨーロッパの“近代”理論を準備し、また日本国憲法にまで影響を与えた。ロック思想の普遍性を明らかにした本書は、政治学・政治思想史の格好の道案内であり、“現代”とは何かという問いにも答える。

目次

第1章 歴史のなかのロック
第2章 『市民政府論』の座標
第3章 政治理論における“近代”
第4章 市民社会のイメージ
第5章 自由の政治構想
第6章 政治理論の“現代”へ

著者等紹介

松下圭一[マツシタケイイチ]
1929年生まれ。法政大学名誉教授。政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

23
1987年初出。古典とは、人々に自由に読ませる許容量のおおい本(3頁)。厳しい批判にも耐えうる(4頁)。ロックには政府論はあるが、国家論がない(10頁)。世界共通文化と地域個性文化の緊張のなかで、現代日本文化が再編される(28頁)。34歳のロックは、1666年、アシュリー卿の主治医兼家庭教師としてロンドン邸へ(44頁)。人員主権型の社会の論理による、議会主権型の議会の弁証がロックの解決策(63頁~)。 2015/11/16

masabi

14
ロック「市民政府論」を読み解きながら、著作の理論を現代政治に活かすための提言までをも行う射程の広い本である。その根幹は官僚主導による国家政治から市民自治へと転換することにある。ロックの著作の理論は政府正統論、政府機構論、革命権の肯定による変動論の3点からなる。市民自治を実現するには前提として、社会と政府の区別、市民文化の成熟、中間項の多様化が必要となるが、そのいずれもまだ十分と言えるレベルにはなっていないのではないか。2016/02/14

うえ

6
某大学の除籍本。2014年刊。確かに除籍されるだろと思えるくらい中身は古い。原著は84年刊。ロック『統治二論』の後半だけ『市民政府論』として出回る奇妙な日本の産物。国家なき共同体像をロックの中身に読み込むが、ラスレットやポーコックなどの成果は全く活かされず。戦後安保や市民運動からロックを読み込むならそれも当然か。『ロック政治論集』などを読むと、危険な思想家としてのロックにも気づかされ思想の面白さを感じるが、本書のロックは無味乾燥化されたロック。日本の民主主義観の不可解さはロック『デモクラシイの本質』参照2016/03/18

しんすけ

4
commonwealthやstateを「国家」と訳すのは、誤訳の最たるものだ。本書では前者を「共和社会」などとするのが適切だと書かれていた。後者に関しては言及はないが、ぼくは「場」が適切だと確信している。その意味でも、日本国憲法から「国家」なる言葉が無くならない限り、日本の民主主義は漫画でしかない。70年前までの日本では、ルソーやマルクスは普及してもロックはそうではなかった。ロックの言葉が彼ら以上に革命権を強調するものであったことが、為政者の神経を尖らせた結果であったことを本書によって知ることができる。2016/12/31

まさにい

3
正直この本を本当に理解するのは相当の基礎知識が無いと難しいと思う。この内容は岩波市民セミナーで話されたものであるのだが、受講した人たちはどの程度理解したのであろうか。ロックの社会契約の内容はあまり他の本には書かれておらず、僕も今まで、ホッブスの縦の社会契約と思っていた。しかし、これは、市民が個人として市民間で社会契約を結ぶとする横の社会契約であることが判る。そうだとすれば、ルソーの一般意思に繋がるので、なるほど~と思ったのだが、それが正しいかもう一度確認しなければならないなぁ。2023/08/24

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