出版社内容情報
草野心平、島尾敏雄、埴谷雄高――多くのすぐれた文学者を生んだ福島県。出身作家11人の作品を精選した、他に類を見ない作品集。
2011年3月11日、東日本大震災による被災・福島第一原発事故に伴う故郷喪失の悲劇は、続いている。
福島を故郷としている作家の、福島への思いを、その自然の豊かさと、文学の息吹を精選。
草野心平・水野仙子・久米正雄・宮本百合子・中山義秀・東野邊薫・吉野せい・斎藤利雄・真船豊・島尾敏雄・埴谷雄高。
一一人の作家による福島の精神を伝える作品集。
内容説明
二〇一一年三月一一日、東日本大震災による被災・福島第一原発事故に伴う故郷喪失の悲劇は、続いている。福島を故郷としている作家の、福島への思いをその自然の豊かさと、文学の息吹を精選。一一名の作家による福島の精神を伝える作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うーちゃん
1
原発事故が無ければ編まれなかった短編集だろうが、収録作は原発とは無関係で、戦前・戦中を描いた作品が大半。読みやすく面白い作品が意外に多かった。恥ずかしながら水野仙子、東野辺薫、斉藤利雄、真船豊の4人は名前すら知らなかった。特に東野辺は芥川賞を満場一致で獲っていたとは……その受賞作「和紙」が本書には収録されているが、これは本当に良い作品。和紙作りには門外漢の私にも、手作業の様子が目に浮かぶように描かれている。残念なのは編者の宍戸芳夫の略歴が無かったこと。なぜこれほど福島の文学に造詣が深いのか分からなかった。2015/11/28
YY
0
「和紙」が職業やら家族やらを上手に描いていて一番良かった。そのほか、草野心平の詩は風土や雰囲気、「水芭蕉」は景色と感情の美しさのマッチが印象的だった。2014/08/13
隠居
0
「和紙」が秀逸、あとは破綻気味。それにしても「水芭蕉」はこれを読んだら登山嫌いになるという点では希有な作品かも。2014/05/21