講談社学術文庫<br> 江戸開幕

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講談社学術文庫
江戸開幕

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923842
  • NDC分類 210.52
  • Cコード C0191

出版社内容情報

家康、秀忠、家光の徳川三代はどう264年に及ぶ盤石な体制を築いたか。外様大名や朝廷への支配力強化、鎖国の完成などから解明する豊臣氏の関白政権とは異なる将軍制を選んだ家康と秀忠、家光の徳川三代が、どのように二百六十余年におよぶ盤石な幕府体制を築き上げたか。その要因を豊臣恩顧の外様大名対策や天皇・公家など朝廷への支配権確立、幕府老中制度の成立などから明らかにする。1600年、関ケ原の合戦に勝利し、1603年に征夷大将軍になったあとも家康と豊臣秀頼の君臣関係は明確とならず、この矛盾は1615年、大坂夏の陣による豊臣氏滅亡によってようやく解消される。真田丸を砦に家康本陣に突入、徳川方を大混乱に陥れた真田幸村は奮戦むなしく松平忠直の兵に討たれた。徳川方15万5千、豊臣方5万5千という関ケ原を上回る大規模な戦闘の結果、徳川幕府は名実ともに天下を掌握。同年、「武家諸法度」と「禁中並公家諸法度」公布で全国の大名および朝廷への幕府権力浸透を図る。翌1616年の家康死去後、1620年の大坂城大普請が「御代替わりの御普請」とよばれたように秀忠死去直後の家光による熊本藩加藤忠広の改易は「御代始めの御法度」としてなされ、いずれも将軍の権威と権力を高めた。これ以前の1609年、朝廷内で起こった宮女と公家衆の密通事件で家康は後陽成天皇の厳罰姿勢に介入し、穏便な処分を下すことで天皇・朝廷をその政治体制に組み込むことを認めさせた。あらゆる機会を利用しながら、幕府権力を拡大し、島原の乱を経て鎖国を完成させた幕府は日本を「華」とし、朝鮮通信使・琉球の慶賀使、オランダ商館長の江戸参府を通じて、それらを「夷」とする日本型華夷秩序を幕末まで存続させたのだ。
原本:『日本の歴史 12 江戸開幕』集英社 1992年刊

はじめに 政治の時代  
第一章 豊臣から徳川へ
1 関ケ原の戦い
2 家康将軍となる
3 慶長一六年の上洛
4 大坂の陣
第二章 大御所と将軍
1 大御所政治
2 領知宛行の行方
3 武家諸法度
4 秀忠の自立
5秀忠と家光
<コラム>出頭人・大久保長安 
第三章 将軍と天皇
1 禁中並公家諸法度
2 江戸幕府の朝廷機構
3 和子入内
4 後水尾天皇の譲位
第四章 鎖国への道
1 善隣友好外交
2 外交の年――慶長一四年
3 禁教と貿易
第五章 家光政治の開始
1 「御代始の御法度」
2 将軍の軍事力
3 「御代替の御上洛」
4 寛永の武家諸法度
第六章 江戸前期に生きた大名たち
1 寛文四年の大名二二五人
2 寛永一二年の酒井忠勝
3 外様大名・池田光政の日々
第七章 鎖国の完成
1 鎖国政策の展開
2 島原の乱
3 ポルトガル人の渡航禁止
第八章 寛永の大飢饉
1 武士の「飢饉」
2 凶作から飢饉へ
3 「乞食人充満」
4 飢饉と諸大名
<コラム>「慶安御触書」は慶安二年に出たか
終 章 東アジアのなかの日本
    1 日本型華夷秩序
    2 「日本」としての自国意識
学術文庫版へのあとがき
年表
索引


藤井 讓治[フジイ ジョウジ]
著・文・その他

内容説明

真田幸村の奮戦空しく大坂夏の陣は、豊臣氏滅亡で幕を閉じる。名実ともに天下を掌握した徳川家康は同年、武家諸法度、禁中並公家諸法度の公布で全国の大名と朝廷への支配を確立。翌一六一六年の家康没後も秀忠、家光は幕政強化を継続。将軍が病床にあっても政務が円滑に運営される老中制で政権を盤石に。二百六十余年も続く幕府の強さを解明した名著。

目次

第1章 豊臣から徳川へ
第2章 大御所と将軍
第3章 将軍と天皇
第4章 鎖国への道
第5章 家光政治の開始
第6章 江戸前期に生きた大名たち
第7章 鎖国の完成
第8章 寛永の大飢饉
終章 東アジアのなかの日本

著者等紹介

藤井讓治[フジイジョウジ]
1947年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学大学院教授を経て京都大学名誉教授。専攻は日本近世政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かんがく

10
家康〜家光時代の内政と外交を豊富な史料とともに記述。鎖国、東照宮、寛永通宝によって日本型華夷秩序が形成されていく様が主軸となっている。大名の人数や石高、年齢のデータや、その平均的な一生を書いた第6章が面白い。参勤交代が東西交互から島原の乱を経て、各地域均等に変わったというのは面白い。また、日本貿易独占のためのオランダの豪腕さにも笑ってしまった。2019/11/04

穀雨

6
慶長から寛永年間のおよそ半世紀の通史。大河ドラマ「徳川葵三代」と時代的に重なるため、ドラマのシーンを思い出しつつ「そうだったそうだった」とうなずきながら読んだ。一方で、西国筋への譜代大名の進出など、細かい箇所にも目が行き届いている。国元の実に細かいことまで、書状で指示を出していた酒井忠勝はすごいと思った。2023/02/05

Yuichi Saito

0
2017/05/03

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