内容説明
敬語を正しく使って嫌われた首相もいれば、「タメ語」連発で愛される人もいる。使えないのは論外だが、やたらと使うのも考えもの。敬語は必要に応じて使うべき「武器」なのである。「すべらない」敬語はどう身に付けるのか?失敬と丁寧の境界線はどこにあるのか?国の「敬語革命」、名司会者のテクニック、暴力団への口のきき方等々、敬語という巨大な森の中を探検するうちに、喋りの力がアップする一冊。
目次
敬語革命、勃発す
「正しい敬語」はころころ変わる
敬語業界vs.国家
敬語は自己責任である
トムとキムはどうなのか
三大名人に学ぶ技
小泉さんと安倍さんの差
くすぶるマニュアル敬語問題
失敬と尊敬の間
お疲れ様かご苦労様か
肩書きに敬意をこめて
褒める姿勢、謝る態度
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
油すまし
33
「小泉さんと安倍さんの差」が面白かった。小泉さん、安倍さんだけじゃなく、福田さん、麻生さん、石原元都知事、それぞれに姿が浮かび笑ってしまう。それでいて敬語できっちり身構えればいいってものではないことがよくわかる。「椿山荘のホスピタリティ」の過剰敬語は、つい言いがちなところもあり、勉強になった。「お送りしましょうか」を「お送りさせていただきましょうか」は言ってしまっているし、「ご覧になりますか」を「ご覧になられますか」もそう。足りなく感じてそう言ってしまっている。かといって、削ると相手はどう思うのか。2023/11/12
吉野ヶ里
13
敬語ってのは、使い方を伴って初めて意味があるからね。時には砕いてみてもいいかもだし、相手に合わせるのが大事よって本。就活がうまくいかんから勉強中。あんま無理せんと素直な言語感覚で話すのが大事なのかな、と思いました。はい。2016/08/01
YJ
13
面白いし、実践的。国の動きとか海外での敬語の状況もわかっていいですね。2015/08/17
ROCKDOWN
7
2007年に改正された敬語の指針によると敬語は①尊敬語 ②謙譲語 ③丁重語【追加】 ④丁寧語 ⑤美化語【追加】に分類される。 しかし指針はブレブレで解釈も多数、敬語とは意外に曖昧なものだと認識。そんな中、書中に敬語はスムーズな人間関係や社会関係を保つために重要なスキルで、加えて相手や話題の対象と適度な距離を置くことで馴れ馴れしさを排除する機能もあるとされている点に納得。つまり自らの人間性や教養レベルが表れるのだと理解。 また世に氾濫にする過剰敬語「させていただく」はなるべく使わないでおこうと決意した。2022/05/09
piro
7
『「敬語」は異なる身分間の分断を図るものではなく、交流させるための「道具」として機能するものであった』。この一節がストンと腹に落ちました。昨今の違和感がある敬語は、自分(自己満足)の為になってしまっているからなのかもしれません。相手との距離感や相手の気持ちを考えて言葉を選ぶ事が大切だなぁと改めて感じました。確かにコミュニケーションが上手い人は、敬語の崩し方が上手い。「させていただく」は常々違和感を感じる事が多い表現です。慇懃無礼は禁物ですね。2016/11/03