出版社内容情報
天照大神から連綿と繋がる天皇家の系譜が強調されるのは何故か? 中世以降の世襲と才能の葛藤を史実でたどりつつ、その謎に迫る!
内容説明
平成の御世で百二十五代目、皇統は連綿とつづいてきた。その権力統治構造をつぶさに見ると、あることに気づく。はたして日本で貴ばれるものは「世襲」なのか、それとも「才能」か?日本中世史の第一人者がその謎を解き明かす画期的日本論。
目次
第1章 人事に見る才能と年功
第2章 貴族と僧侶の「家の格」
第3章 才能とは何だ?
第4章 中世朝廷が重んじた価値とは
第5章 武士の技能と家の継承
第6章 日本の権力をざっくり見ると…
終章 万世一系の天皇の登場
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京生まれ。東京大学史料編纂所准教授。東大文学部・同大学院で石井進氏・五味文彦氏に師事し、日本中世史を学ぶ。専攻は中世政治史、古文書学。史料編纂所で『大日本史料』第五編の編纂を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
30
これタイトルは「世襲と日本人」とした方がいいんでは。日本で出世に必要なのは才能じゃなくて家柄(しかも血筋にはこだわらない)だったということを平安時代から検証。日本史は戦国と幕末しか興味ない(大河ドラマのせい?)ので不得手な平安鎌倉室町あたりの歴史がチョイ読みにくいかなーと思ったら、語り口が優しいので意外に楽しかった。高校んときにこんな授業を受けたかったよ。タイトルに関しては終章に出てきます。世襲の大親分 天皇が万世一系なのは「結果としてたまたまそうなった」ってのはヨカッタ! 側室制度のおかげか?2017/03/26
takeapple
8
世襲と能力主義の対立。現在の二世議員が己を正当化するためにやる公務員叩きの源流は日本の古代、中世まで遡れるんだ。日本に科挙が値付かなかったのも同じ理由か。2014/04/10
mushoku2006
4
これはさっぱり。 何が著者が訴えたかったのか? 皆目わかりませんでした。2014/08/17
takao
3
世襲が根幹2022/11/03
ちょえ
2
タイトルから少しわかりづらいが、日本史の各時代の出世競争において「才能」と「世襲(血統)」がどれだけの重みを持っていたかを取り上げた本です。そこで明かされるのは意外な事実。王朝文学の中のイメージとは裏腹に、当時の貴族たちは超多忙な日々を送っていた。そして、貴族には厳然としたランクがあり、それを超えて出世したりすることはないが、その代わり同じ階級内では熾烈な競争が繰り広げられていたとのこと。結論部分はやや筆が走りすぎているが、全体を通してみると日本における出世や他者評価のあり方をコンパクトにまとめた良書です2013/10/31