感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウリツィウス
16
【『キリスト教』綱要】《綱要=INSTITUTIO》が表示する『キリスト教綱要』の意味は明確差別根拠とされる。古典主義系譜にあるラテン語資料集を否定するだけではない文献記録目録が語るのはドイツ語訳化された《ルター存在》との対峙化意味でもある「改革」だが古典翻案資料を全否定することでのウルガタ訳定義は適切でもあり、刷新と構築を同様併合・実現化させた「神学」の刻む遺産を定式化させたことでのカルヴァンの功績は確かなものと証明する。そして、結論化が可能なのは《詩篇》性質を十分利用することでの革新的著書存在を示す。2013/07/30
マウリツィウス
12
《CHRISTIANAE/RELIGIONIS》カルヴィンの信仰改革ヴィジョンはあらゆるキリスト教可能性を徹底して模倣していく方法論、すなわちウルガタ/アウグスティヌス/ラテン語教父文献を膨大引用することで神学大全を超えるだけではなく旧約/新約集束極限によりマルキオン派を改革視点で刷新消滅させた。新教改革意味は「新約聖書のみ」独語訳したとも呼べるルターとの明確相違に《綱要》つまりシェイクスピア残影=文学神話打開とも見出せる。「復活」「聖霊」「十字架」「御使い」要素を再吟味した意図は旧教要素を逆転再現する。2013/06/20
マウリツィウス
11
【『キリスト教』論考】マルキオン的異端勢力とはルター派生異端、これを改革案にカルヴァンはルターに協力し断罪する。双方の対峙批判性において駆逐された異端とはすなわち「アクィナス」及び『神学大全』これを見逃さない新教的性質がラテン語訳聖書をウルガタ依存ではない形式で発見、その起源は恐らくルターではなくアウグスティヌス。彼が繙いた文書に見られる教父の面影、そしてそれは異端勢力の構築陣を破壊させる大著=『神学大全』反証命題。実際プロテスタントはカトリック概念を反転させることで権威も取り戻し、旧教異教を転倒させる。2013/06/04
マウリツィウス
10
【INSTITUTIO】「綱要」を意味したラテン語基盤は旧約聖書的だ。ルーテルと比較される改革派信仰はカルヴィン、つまり張巡らされた引用網が征圧的に古典文献録を再参照することでカルヴィニズムと指摘された驕慢狂気を否定する明晰根拠を掲げていく。文学的観点より発した《綱要》整然は「聖」アクィナス同様の原語基準を新約ギリシャ時代より求道した軌道に乗り、古典資料としての価値二重性を復元していく。新約古典とラテン古典の相克性をヒエロニムス管轄から解き放った神秘主義撤回神学論文は古典語訳聖書である独語訳二書を覆す。2013/05/29
マウリツィウス
8
【キリスト教綱要】カルヴァンの信仰基準の本質とはカトリック影響下におけるキリスト教文学神話を新約聖書原点の言説的意味での福音に立ち返らせたことだ。最早ルネサンス文学の残滓と化した神学とスコラ哲学に踊らされた歴史を更新、旧約/新約聖書とはヘブル語/ギリシャ語に基づき記録された福音文書集成を指す。また、外典偽典・使徒教父・無尽蔵二次文献全てへの教養と卓越した理解のあった彼はそれらを排除せずこの著書に引用し踏襲、従来の旧教博覧知識網を沈黙させることにも成功する。留意すべきは福音の完全再現を遂げた聖書文体言語だ。2013/05/04