内容説明
今日の私たちの「育てること」をめぐる環境は、ますます困難なものになってきている。とりにくい育児休業、残業で疲れた夫、孤立する母親、虐待。育てた子どもがひきこもったら?親を手にかけるような子どもになってしまったら?子育てをめぐる不安はあとを絶たない。本書では「育てること」を、乳幼児の子育てに限らず、子どもが巣立つまでの親と子の営み、ないしは世代の引継ぎという幅広い意味でとらえ、臨床心理学、精神分析学、教育学、社会学など領域をこえて幅広い視点から論じる。
目次
結婚出産経験の多様化と子育て期の働き方―求められる子育ての可視化
わが国における公共性の実現と男性の育児参加問題
子を人として尊んで育てる
教育現場に見る「育てる」ことの困難
子育て世代を支える言葉―「子育ては難しい」という意識の発生をめぐって
「若者」を育てることの困難
内向きの若者たち―産み育てる人になることの困難
現代女性の母性観と子育て意識の二重性
甲南大学人間科学研究所第7回公開シンポジウム 育てることの困難―家族・教育・仕事の今を考える パネルディスカッション
著者等紹介
高石恭子[タカイシキョウコ]
1960年生。京都大学教育学研究科博士後期課程満期退学。甲南大学文学部教授・学生相談室専任カウンセラー。専門は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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