ちくま学芸文庫
風景画論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 353,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090379
  • NDC分類 723
  • Cコード C0170

内容説明

神話や象徴の世界の表現から現実の表現へ。背景を描く際の便利なシンボルとしての風景は、ファン・エイク、ベリーニ、ボス、レオナルド、ロラン、クールベらを経て、光を描こうとした画家ターナーにより絵画の中心的なテーマへと引き上げられてゆく。中世末期から現代にいたるまでの画家たちの心象と製作意図を読み解き、風景画の変遷をたどる。西洋美術史の碩学がさまざまな画家や作品を縦横に語りつくし、西洋美術の奥底に潜む、信仰心、欲望、想像力を浮き彫りにした名著。

目次

第1章 象徴としての風景
第2章 事実の風景
第3章 幻想の風景
第4章 理想の風景
第5章 あるがままの自然の把握
第6章 北方の光
第7章 秩序への復帰

著者等紹介

クラーク,ケネス[クラーク,ケネス][Clark,Kenneth]
1903‐83年。ウィンチェスター大学、オックスフォード大学で学んだ後、フィレンツェにてバーナード・ベレンソンに師事。1934年、30歳の若さでロンドンのナショナルギャラリー館長に。ついでオックスフォード大学教授、英国美術協議会会長、大英博物館理事、ロンドン図書館長などを歴任。1969年、貴族に叙せられる

佐々木英也[ササキヒデヤ]
1932年生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。東京芸術大学名誉教授、岩手県立美術館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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OKKO (o▽n)v  終活中

4
図書館 ◆これは「風景画」を論じたものでなく「絵画の中に表わされた風景」が本当の内容。原題はLandscape into Artなので日本語にしにくいが、タイトル邦訳は誤解を招く。結果読まずに終わってしまう人も多かろう、もったいない話 ◆このところの例によって多木浩二『眼の隠喩』第4章解読の過程で、引用があったので読んでみた。ほぼ、いわゆる様式の流れとともに、描かれる「風景」の意味が変遷していく様を解く。もちろん風景=背景などと考えたことはないが、系統的に風景のことを考えたこともなかった自分、大いに反省だ2015/07/14

misui

1
原書は1949年。20世紀に至る風景画の変遷を画を通して見るもので、風景画の歴史そのものではない。ロイスダールがライスダールと書かれていたり表記が現在と違うところがあるので少し注意。2020/11/29

しまりんご

1
西ヨーロッパにおける風景画の変遷をひもとく名著。膨大な知識に支えられた明晰な理論の展開に驚嘆するが、それとともに、イギリス人である著者の風景画に対する特別な愛情がひしひしと感じられる。イギリス風景画/フランス風景画という対比もあり、面白い。個人的には、ジョルジョーネとコンスタブルについてもっと知りたくなった。2013/03/30

ワルサーP1128

0
ケネス・クラークを知ったのは確かBBCか何かのテレビ番組だったと思う。絵画の歴史を紹介するために世界各国の美術館へ行き、わかりやすい切り口で語っていた。 本書も博学なクラークならではの作品で、時代ごとにいろんな風景が西洋では描かれてきたことがわかる。どんな風景を描いたかっていうことはその時代の自然観をあらわしているようでもあるらしい。残念なのは、紹介されている図版がみなモノクロだということ。ターナーの色彩やパヴェーゼの風景画なんか、もっとカラーでみたいなあという感じがすごくする。文庫だから仕方ないか。2014/01/22

ゆう

0
西洋絵画の変遷をまとめた一冊。全て読んだ後、エピローグが全体をよくまとめていて理解が深まった。未だ知らない画家もあり、自分でカラーの絵を改めて調べたいと思った。2013/09/13

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