出版社内容情報
アレクサンドロスの生涯は、史実を超えた伝説として西欧からイスラムに至るまでの世界に大きな影響を与えた。伝承の中核をなす書物。解説 澤田典子
内容説明
アレクサンドロス大王の事績は史実としてだけでなく、物語としても後世に大きな影響を与えた。中でも、「アレクサンドロス・ロマン」と称された本書は、聖書についで読まれた本とされる。基本的な史実を踏襲しつつ、鮮やかな戦闘場面、ペルシア王やインド王との書簡のやりとり、エジプトに由来する血統、裸形の哲学者との対話、アマゾネスや怪物との邂逅などを織り交ぜて、多くの一般大衆を長きにわたり魅了した。「物語」本篇に加えて、ラテン語で書かれた「アレクサンドロスからアリストテレス宛ての手紙」も収録。
目次
第1巻(第1節 前書き。アレクサンドロスの父はエジプト王ネクテナボンであること。彼が呪術師であったこと。;第2節 エジプトが諸国の軍勢に攻め寄せられていることがネクテナボンに報告されるが、彼は意に介さないこと。;第3節 ネクテナボンは呪術によってエジプトの崩壊を予知し、マケドニアに落ちのびる。セラピス神殿の神官は、老王ネクテナボンが青年王となって帰国するであろうことを予言すること。 ほか)
第2巻(第1節から第5節まで欠(クロル版参照、二四七ページ)
第6節 キリキアを通過。
第7節 ダレイオスとその側近たちが善後策について相談。 ほか)
第3巻(第1節 アレクサンドロスはインドへ行軍を始める。軍の指導者たちのあいだでアレクサンドロスの指揮に従ってインド遠征を継続することにたいする不満が広がるが、アレクサンドロスが説明して兵士たちの理解をえること。;第2節 アレクサンドロス、インドの国境に到着。インド王ポロスの手紙を使節が持参。ギリシアへ帰国するようにというポロスの要請。アレクサンドロスのポロス宛の返事。自分よりすぐれたものを手にいれようと人間は望むものだから、インドにあって、ギリシアにない、よりすぐれたものを望むという論理。;第3節 アレクサンドロスは今度も自分みずから使者となって、ポロスを訪問する。同時に敵軍のもちいる象などの動物にたいする対策を練る。戦闘用の動物への対応策は成功したが、戦闘は互角の状態が続いた。アレクサンドロスの馬ブケパロスが倒れたせいで、アレクサンドロス自身は戦争に興味をうしない、敗色が濃くなってくること。 ほか)
補遺(クロル版;ガンマ版;ラテン語版)
著者等紹介
カリステネス[カリステネス] [Callisthenes]
前370頃‐327。ギリシアの歴史家。哲学者アリストテレスの姪の子。アレクサンドロスの東方遠征に従軍したが、後、反逆の陰謀に関与したとして処刑される。『アレクサンドロス大王物語』の著者に擬されている
橋本隆夫[ハシモトタカオ]
1940‐2011年。岡山県生まれ。京都大学文学卒業。同大学院中途退学。京都工芸繊維大学講師、神戸大学国際文化学部教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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UN88
in medio tutissimus ibis.
Stella
Shunsuke Yamaji