出版社内容情報
単語も文法も知らない赤ちゃんが、なぜ母語を使いこなせるようになるのか。発達心理学、認知科学の視点から、思考の道具であることばを獲得するプロセスを描く。
内容説明
単語も文法も知らない赤ちゃんが、なぜ母語を使いこなせるようになるのか。ことばの意味とは何か、思考の道具としてどのように身につけていくのか。子どもを対象にした実験の結果をひもとき、発達心理学・認知科学の視点から考えていく。
目次
第1章 アラミルクガホシイノネ―単語の発見
第2章 ヘレン・ケラーのwater事件―ことばの世界の扉を開ける
第3章 歯で唇をフム―動詞の意味の推測
第4章 血圧がヤスイ―モノの性質、色、位置関係の名前の学習
第5章 ことばの発達の謎を解く―発見、創造、修正
第6章 言語が思考をつくる
終章 読者のみなさんへのメッセージ
著者等紹介
今井むつみ[イマイムツミ]
1989年慶應義塾大学社会学研究科後期博士課程修了。1994年ノースウエスタン大学心理学博士。慶應義塾大学環境情報学部教授。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。現在、玉川大学赤ちゃんラボと共同研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
54
その能力がいつどのように何故備わったのかとかという疑問が残りましたが、プリマーらしく読みやすいお話であったと思います。言葉の獲得過程と、科学の研究過程がパラレルであるとかなるほど。システムとして世界を把握しようとする能力、進化の過程の何処で備わったのかな。2023/03/29
さっちゃん
42
赤ちゃんの言葉の習得過程は思った以上にすごい。何も考えないで真似しているだけかと思ったら、ちゃんと日々フル回転で頑張っていたのだなぁ。これからお母さんになる人や乳幼児がいる親御さんは、読んでみると子育てがより興味深いものになるかも。2020/11/04
あちゃくん
34
自分では何の気なく言葉を覚え使いこなしてきたつもりでしたが、その習得過程についてはほぼほぼ知らなかったなと気づかされる本でした。2022/12/23
kei-zu
34
「言語とは、認識である」 赤・青・緑の色彩は明確な区分があるわけでなく、グラデーションの一定区間をそれぞれ定義したものである。「orange」は、日本語が想定するほど赤に寄っていない。したがって幼児は、認識能力が一定以上向上するまで、(「色彩」を認識しても)色を口にすることができない。なるほどね。 一方で、幼児の認識と言語の認識の向上能力は、めざましいものがある。 世界の認識の手法は、科学的なアプローチと大きく重なるとのこと。 知的好奇心がくすぐられますな。2020/10/15
タルシル📖ヨムノスキー
23
赤ちゃんがどうやって母国語を自分のものにしていくかを様々な実験を通して解き明かしていく本です。まずは単語をどうやって聞き分けるのか、そのあと名詞や動詞、色や形、方向など、日本語だけではなく日本以外の国の言葉との比較まで実に多彩。子供たちのあのかわいい言い間違いがどこから来るのかというのも興味深い。とにかく大切なのは、赤ちゃんがお腹の中にいる時からたくさん話しかけてあげること。そして生後言葉が出始めたら、寛容な気持ちで付き合ってあげること。言い間違いだって大切なプロセス。巻末のブックガイドもとても嬉しい。2023/04/29
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