内容説明
お祭りの演劇コンクール?機械仕掛けの神とは何か?舞台に出られる俳優は三人だけ?作家の不幸な人生が傑作を生み出したのか?古典の隠れた魅力を逍遥する愉しみ。
目次
第1章 素材の競合と独自性
第2章 合唱隊は俳優か
第3章 嘘を吐く神
第4章 「神様を出せ!」
第5章 喜劇になり損ねた話
第6章 もの言わぬ俳優もしくは雄弁なる沈黙
第7章 脇役登場
第8章 イオカステはいつ知ったか
第9章 てんでんばらばら
第10章 「女嫌い」エウリピデス
著者等紹介
丹下和彦[タンゲカズヒコ]
1942年岡山県生まれ。京都大学文学部卒業。同大学院文学研究科言語学専攻修士課程修了。和歌山県立医科大学、大阪市立大学を経て、関西外国語大学教授。京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こうすけ
25
おもしろかった!ギリシア悲劇に興味がある人にはかなりオススメ。当時の演劇事情や各作者の略歴・特徴、作品から垣間見えるギリシアの風俗などがコンパクトにまとめられ、これを読んでから改めてギリシア悲劇を読むのが楽しみになる。2021/02/14
の
2
ギリシア悲劇が舞台で公開された当時、どのように観衆に受け止められたのかを論じたエッセイ集。ギリシア悲劇舞台は、当時は観客の感情に訴えかけ直接的に受け取らせていたに違いなく、悲劇を後学の知識で読み解くのはナンセンスだと、肩肘張らずに著者の印象に残っている部分を拾っていく方法で論が進められる。敷居が高いギリシア悲劇もこうして当時の観客の立場から、実際に舞台を観るようにして鑑賞することで、より身近で親しみの籠った作品であると認識できる。少々作者のクセが出過ぎな気もするが、一味変わった観点が面白い。2011/09/29
てり
0
ギリシア悲劇を紹介する読み物。作品解釈などの本格的なものとは少し違う、ちょっと視点を変えて色々な面白味のあるポイントを紹介。ギリシア悲劇に詳しくなくても面白く読めて満足。2022/11/06