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内容説明
GDP(国内総生産)からGNH(国民総幸福)へ。人口67万人のヒマラヤの小国ブータンがどのようにGNH大国になりえたか。世界に発信しつづけるその姿を総合的に紹介する。
目次
第1章 愛と郷愁の国ブータン
第2章 GNPからGNHへ
第3章 制度の進化と国際化
第4章 持続可能な社会指標として有効なGNH
第5章 ブータン人の幸せ感
終章 ブータンモデルの可能性
著者等紹介
大橋照枝[オオハシテルエ]
1963年、京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。(株)大広マーケティングディレクター、國學院大學栃木短期大學助教授を経て、麗澤大学経済学部教授。2001年、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
36
幸せの基準。物理vs.精神。根底の「ディグラム・ナムジャ精神」。GNHの4つの柱、そして9つの指標も、決して理想論ではなく身近な視点。一方、その実現は、シンガポールを彷彿させる統治政策や、英語政策などの実用主義。課題は、歳入の1/3を国際援助に頼る経済的自立。限定的なインタビューではあるが、問われた幸せへの回答。”深み”の違いと純粋さを感じる。蛇足だが、『ポケモン』って本当に親善大使だなぁ。(笑)2014/05/06
Kazyury
5
「秘境」、「未来国家」の流れで再読。 本書の基本的なメッセージはGNHそのものとGNHを支えるリーダーや運用の称賛。穿った見方をすると、上記に加えて著者が開発している指標(HSM)の宣伝。 GNH指標の解説はそれほど詳しくないが、確かに算出はできそうだな、と思える程度には書かれている。 GDP(GNP)の限界(というか所与の制約)が自明ななか、持続可能な社会指標というアイディアは魅力的。 他国への一般化ができるだけの客観性は持ちにくそうだけど、1国内での経年指標としては有効かもしれない。 ブータン頑張れ!2016/12/08
壱萬弐仟縁
5
2週前ぐらいのTIME誌に書いてあったが、ブータンも観光客を10万人に増やしたり、IT化を進めるらしい。だから、外に開きすぎて過剰な文物の流入が起きてくると、許容能力を超えて経営できなくなる。どの程度の文明度を目指すかで、国家の未来が規定されてくる。GNHの目標は、文化の推進であり、教育や健康、good governanceも入る(68-69ページ)。日本のように文明の終着駅である原発事故で後始末さえままならないような国になってはいけない。適度な経済水準で向こう見ずな開発は制御することが日本からの教訓。2012/10/24
フィリップ・まろ
3
もはやGNHのことを知らない日本人はいないと言えるほど人口に膾炙した言葉となった感がある。読者にうんざりとされるのを覚悟の上でここに説明をする。GNHはGross National Happinessの略である。日本語訳すると国民総幸福度。GDPつまり国内総生産では経済面の有効数値しか表すことができない。何らかの不幸な出来事で何千と言う人の死が確認されたとする。そこには事後処理や葬儀といった経済活動が生じる。これがGDPの数値に繁栄されてしまう。こんなバカな指標はいらない。国家の指標は幸福度で計りたい。2011/12/30
ゆうゆう
2
指標はハピネス。GDPでなくGNHを目指す国。若い国。IT化が進み、絶えず情報が入って来るようになっても、今の幸せの価値観を失って欲しくないなと思う。男女平等、対等すぎて、日本のように男女比、女性進出率にカリカリするお役所の男性はいなさそうだ。2013/10/24