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14歳のアウシュヴィッツ―収容所を生き延びた少女の手記

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  • サイズ B6判/ページ数 307p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560081716
  • NDC分類 993.7
  • Cコード C0022

出版社内容情報

アウシュヴィッツに送られた少女アナは、日々収容所で目にする出来事を、ノートや紙の切れ端、トイレットペーパーなどにひたすら書きとめていく。奇跡的に持ち返られた貴重な資料。

内容説明

アウシュヴィッツに送られた少女アナは、日々収容所で目にする出来事を、ノートや紙の切れ端、トイレットペーパーなどにひたすら書きとめていく。奇跡的に持ち返られた貴重な資料。『アンネの日記』と対をなす、歴史的証言。

著者等紹介

ノヴァク,アナ[ノヴァク,アナ][Novac,Ana]
1929年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方でハンガリー人の父とドイツ人の母のあいだに生まれる。ユダヤ系。本名はジムラ・ハルシャーニ。11歳のとき、トランシルヴァニアがハンガリーに併合され、ハンガリー国籍となる。44年夏にアウシュヴィッツ強制収容所に連行され、その後複数の収容所に送られる。45年5月チェコのクラツァウ収容所で赤軍により解放され、九死に一生を得る。戦後はブカレストで劇作家として活躍し、57年には国家賞も受賞するが、チャウシェスク政権を批判したとして発禁処分を受け、西ベルリンに脱出

山本浩司[ヤマモトヒロシ]
1965年大阪生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程中退。早稲田大学文学部准教授。専門は現代ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

128
ナチス収容所で書き綴られたハンガリー系ユダヤ少女の日記。14歳の主観で描かれる女囚人の日常は鮮烈で終始悪態とブラックユーモアのオンパレード。辛辣な代名詞や比喩の濫用は読みづらいが、これが本書を暗澹たる回想録ならぬ不謹慎な笑いすら誘う「生の記録」たらしめており、喜劇作家の萌芽を感じる。収容者にも全く容赦ない、綺麗事を言うフランス人には特に。辺境出身目線の洞察は人間の強かさも暗部も逃さない。ノートと生への執念も次第に強靭になる、サボり方も大胆不敵。本書はアウシュビッツの悲劇的陶酔へのシニカルなアンチテーゼだ。2022/04/10

里季

49
2013年から新年に向かう時にすごい本に出会えた。これはルーマニアのアンネ・フランクとも言われる当時14歳の少女の残したアウシュヴィッツ収容所での出来事を克明に記した手記である。14歳と言えば、ファンシーグッズや友人とのおしゃべりに夢中になる年頃。なのに著者アナ・ノヴァクは年齢からは想像もできないほどの筆致で女子収容所の実態を訴えている。やっと手に入れたノートを隠しながら何とか自分の手記を残して外の世界に出そうと、強い信念を持ち続け、時にはずるいことや乱暴なまでの同朋とのやり取りを経て書き続けた。2014/01/02

たまきら

41
少女らしい感性と、生き延びてやろうと決意する怒りに満ちた生命力。様々な感情が万華鏡のようにちりばめられていて、読みやすい文章ではない。けれど、ドイツ人だけではなく、違う言語を話すことで生じる差別、収容所内でのいじめ、気持ち悪い男性…と戦わなければいけないものがたくさんあった彼女の日々を思うと、その感情の揺らぎこそがリアルなんだろうな。冷静な記録ではないけれど、アンネフランクとはまた違う一少女の「あの頃」に出会える貴重なことばです。2022/09/09

つちのこ

32
死と隣り合わせの状況にありながら、比喩を駆使したブラックユーモアと、純真な少女らしさが溢れたストレートな表現が対照的。出版に当たり加筆修正はあったと思うが、これを14歳の少女がほんとうに書いたのかと疑いたくなるような、熟達した文章力を感じる。収容所内で体験した悲惨な出来事は思春期の喜びと楽しさを奪い、その後の人生に計り知れない影響を与えたのは疑いようもない。日記を綴ることのこだわりは単に書くことが好きなだけでなく、死を前にした遺書のような、残すことへの使命感を感じずにはいられない。読み継がれて欲しい。2022/05/25

せんむ

32
アンネの日記は収容前なのに対して、こちらは収容所内での日記。とにかく14歳とは思えない観察眼と筆致。私が勉強不足かもしれないけどアウシュヴィッツでの美談とは程遠い、収容所内(勿論、ユダヤ人同士)での人間関係が生々しく記されている。目を覆いたくなる様なナチスの行動もあるけれども、彼女の皮肉の効いた文章は、絶対に生き延びてやろうとする人や、収容所内でも自分であり続けた人々を「可哀想な人」と言ってしまうのは失礼にあたるほどだ。アウシュヴィッツ関連を抑えたいならば、必読の一書。2015/10/19

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