内容説明
1992年に吉野川可動堰建設計画が明らかになってからの徳島では、堰の是非をめぐる住民投票を経て以降も毎年のように既成政治と住民運動が対峙する選挙が行われた。本書ではこうした徳島の政治変動から、再帰的近代に向かうマクロな変動と民主主義のあり方を問う。
目次
序章 ポスト55年体制の地方政治と社会変動―脱政党時代における対立軸と連合形成をめぐって
第1章 住民運動の発生から住民投票へ―可動堰建設をめぐる「技術」と「民意」の交錯
第2章 「声なき声」の勝利―住民投票での投票行動
第3章 シングルイシューから民主化運動へ―住民運動の成功と変質
第4章 知事汚職と大田県政の誕生をめぐる投票行動―有権者連合のダイナミクス
第5章 改革フレームの不発―大田県政におけるフレーム抗争
第6章 保守復権の選挙戦略―2003年知事選と選挙マシーンの機能
第7章 利益媒介から行政改革へ―飯泉県政の政治手法と行政運営
第8章 底辺民主主義の蹉跌―2004年市長選の投票行動
第9章 日本版「緑赤連合」の軌跡―反保守連合はなぜ失速したのか
終章 政治変動と民主主義―システム転換の産みの苦しみのなかで
著者等紹介
久保田滋[クボタシゲル]
1966年生まれ。1997年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。現在、大妻女子大学人間関係学部准教授
高木竜輔[タカキリョウスケ]
1976年生まれ。2006年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。現在、日本学術振興会特別研究員
矢部拓也[ヤベタクヤ]
1972年生まれ。2003年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。現在、徳島大学総合科学部准教授
樋口直人[ヒグチナオト]
1969年生まれ。1999年一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、徳島大学総合科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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