出版社内容情報
鎌倉時代はじめの珠玉の二歌集に詳注を加えた一冊。
新古今和歌集巻頭歌の作者で、同集下命者後鳥羽院の意を体してその仮名序をも書いた、和漢兼作の才をほしいままにしながら急逝した後京極良経の家集『秋篠月清集』、栂尾高山寺中興の高僧で、「心数奇たる人」であれと教えたという明恵(高弁上人)の『明恵上人歌集』。鎌倉時代はじめの珠玉の二歌集に詳注を加えた一冊。
凡例
本文
秋篠月清集
明恵上人歌集
補注
解説
秋篠月清集
明恵上人歌集
人名一覧
地名一覧
初句索引
【著者紹介】
昭和34年徳島県生。大阪大学文学部卒。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。フェリス女学院大学文学部教授。著書に『中世文学とその時代』(笠間書院)『和歌文学の基礎知識』(角川学芸出版)など。
内容説明
「み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり」―新古今和歌集巻頭歌の作者で、同集下命者後鳥羽院の意を体してその仮名序をも書いた、和漢兼作の才を兼備しながら急逝した後京極良経の家集『秋篠月清集』、「雲ヲ出デテ我ニトモナフ冬ノ月 風ヤ身ニシム雲ヤツメタキ」―栂尾高山寺中興の高僧で、「心数寄(すき)たる人」であれと教えたという明恵(高弁上人)の『明恵上人歌集』。鎌倉時代のはじめの珠玉の二歌集に詳注を加えた一冊。
目次
秋篠月清集
明恵上人歌集
感想・レビュー
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上高野
1
後京極(九条)良経の歌集『秋篠月清集(あきしのげっせいしゅう)』を調べたくて図書館から借りた本。九条良経は嘉応元年(1169年)生、元久3年3月7日(1206年)に38歳で早世した公卿で、摂政関白・九条兼実の次男。 良経が急死したため良経自筆の草稿本を藤原定家が写した(と、巻末の識語にある)。歌集最後は「この世より蓮(はちす)の糸に結ぼほれ西に心の引くわが身かな」で、早世を暗示するようだ。 小倉百人一首には「後京極摂政前太政大臣」名で、「きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかもねむ」がある。2016/04/29