出版社内容情報
古気候学と日本史の新たな出会い―プロローグ/地球温暖化と気候適応史の研究(現代人に問われているもの―温暖化への対応/古気候学の三つの任務と一つの可能性/気候適応史の潜在的な役割)/人間にとって気候とは何か(そもそも気候とは何か/短期変動―日常生活を支配するもの/長期変動―人類を運命づけたもの/中期変動―未知のサイクルとその影響/これまでの古気候復元とあるべき姿)/古気候データの世界と日本での急速な拡充(古気候学とは何か―これまでの経緯と近年の発展/年輪気候学の特徴と日本における課題/あらゆる周期の気候変動を復元する!/長期~短期の気候変動と史資料の比較)/「長周期」変動への日本列島の人々の適応(水田稲作の伝来と列島内の伝播―縄文~弥生/気候湿潤化と初期国家形成―弥生~古墳/降水量の長期変動と遷都―古代/大干ばつを契機とした荘園制への転換―平安/小氷期の厳しい気候下での国土開発―江戸)/「中周期」変動への日本列島の人々の適応(数十年周期の変動が飢饉や紛争を生む―平安~江戸/なぜ人間社会は数十年周期変動に脆弱なのか―一般/江戸/数十年周期変動の振幅増大と時代の転換―弥生~江戸)/「短周期」変動への日本列島の人々の適応(領主と農民の意志決定の背景―室町/生産力の向上への取り組み―江戸/年単位の考古学研究の可能性―弥生~古墳)/気候と歴史の関係から何を学ぶか(気候変動と技術・制度革新の相同性/なぜ気候適応に着目するのか/気候適応の成功と失敗に学ぶ)/人新世をのりこえる知恵蔵としての歴史―エピローグ
内容説明
古来、人びとは気候変動にいかに適応してきたのか。古気候復元の最新データと史資料を照合し、気候変化のスピードが社会に与えた影響という視点で描く初の通史。昨今の地球環境問題に気候適応史研究の重要性を説く。
目次
古気候学と日本史の新たな出会い―プロローグ
地球温暖化と気候適応史の研究
人間にとって気候とは何か
古気候データの世界と日本での急速な拡充
「長周期」変動への日本列島の人々の適応
「中周期」変動への日本列島の人々の適応
「短周期」変動への日本列島の人々の適応
気候と歴史の関係から何を学ぶか
人新世をのりこえる知恵蔵としての歴史―エピローグ
著者等紹介
中塚武[ナカツカタケシ]
1963年、奈良県に生まれる。1986年、京都大学理学部卒業。1991年、名古屋大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、名古屋大学大学院環境学研究科教授、博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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六点
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