歴史文化ライブラリー<br> 気候適応の日本史―人新世をのりこえる視点

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歴史文化ライブラリー
気候適応の日本史―人新世をのりこえる視点

  • 中塚 武【著】
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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642059442
  • NDC分類 210.1
  • Cコード C0320

出版社内容情報

古気候学と日本史の新たな出会い―プロローグ/地球温暖化と気候適応史の研究(現代人に問われているもの―温暖化への対応/古気候学の三つの任務と一つの可能性/気候適応史の潜在的な役割)/人間にとって気候とは何か(そもそも気候とは何か/短期変動―日常生活を支配するもの/長期変動―人類を運命づけたもの/中期変動―未知のサイクルとその影響/これまでの古気候復元とあるべき姿)/古気候データの世界と日本での急速な拡充(古気候学とは何か―これまでの経緯と近年の発展/年輪気候学の特徴と日本における課題/あらゆる周期の気候変動を復元する!/長期~短期の気候変動と史資料の比較)/「長周期」変動への日本列島の人々の適応(水田稲作の伝来と列島内の伝播―縄文~弥生/気候湿潤化と初期国家形成―弥生~古墳/降水量の長期変動と遷都―古代/大干ばつを契機とした荘園制への転換―平安/小氷期の厳しい気候下での国土開発―江戸)/「中周期」変動への日本列島の人々の適応(数十年周期の変動が飢饉や紛争を生む―平安~江戸/なぜ人間社会は数十年周期変動に脆弱なのか―一般/江戸/数十年周期変動の振幅増大と時代の転換―弥生~江戸)/「短周期」変動への日本列島の人々の適応(領主と農民の意志決定の背景―室町/生産力の向上への取り組み―江戸/年単位の考古学研究の可能性―弥生~古墳)/気候と歴史の関係から何を学ぶか(気候変動と技術・制度革新の相同性/なぜ気候適応に着目するのか/気候適応の成功と失敗に学ぶ)/人新世をのりこえる知恵蔵としての歴史―エピローグ

内容説明

古来、人びとは気候変動にいかに適応してきたのか。古気候復元の最新データと史資料を照合し、気候変化のスピードが社会に与えた影響という視点で描く初の通史。昨今の地球環境問題に気候適応史研究の重要性を説く。

目次

古気候学と日本史の新たな出会い―プロローグ
地球温暖化と気候適応史の研究
人間にとって気候とは何か
古気候データの世界と日本での急速な拡充
「長周期」変動への日本列島の人々の適応
「中周期」変動への日本列島の人々の適応
「短周期」変動への日本列島の人々の適応
気候と歴史の関係から何を学ぶか
人新世をのりこえる知恵蔵としての歴史―エピローグ

著者等紹介

中塚武[ナカツカタケシ]
1963年、奈良県に生まれる。1986年、京都大学理学部卒業。1991年、名古屋大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、名古屋大学大学院環境学研究科教授、博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

109
人は自然環境と関わって歴史を創ってきたが、その環境には気候も含まれる。気候変動で飢餓に襲われ、住みやすい土地に移住する例は今日も珍しくない。気候の変化に人が適応していくプロセスを古気候復元によるデータから検証するという、従来の歴史学にはない理系の視点に考えさせられる。寒冷期の凶作で朝鮮半島の水田耕作者が日本へ移り、平家没落は気象災害による問題噴出の責任を取らされた結果など初めて聞く指摘だ。グラフや気象学の論考も多く文系には難しいが、温暖化への対応が国際的課題とされる現代だからこそ過去の再検証は必要だろう。2022/09/10

六点

90
著者略歴で「京都大学理学部卒」とあり、「しまった、これは敵(何のだ)の罠に御座る」と叫びたくなった。それは、ともかく、歴史学的なタイムスパンに於いて、長期・中期・短期の3種類の指標が用いられている。この本では特に、最近作られた「年輪酸素同位体気候成分」により過去2600年分という長期に渡る1年毎のデータ編年が完成した。その解析(過去の文献に於ける気候データは、主に史学者の手によって完成している)地理的にも、モンスーンという紐帯で華南辺りまでカバーしうるデータベースである。続く2022/03/07

アメヲトコ

10
22年3月刊。著者は理学博士でバリバリの理系。前半は年輪酸素同位体比にもとづく古気候復元の理論的解説で、その解像度の高さに驚かされます。後半は歴史的な気候変動と社会との関係の分析で、本書の特長はそれを「適応」という視点から読む点にあります。数年ごとの短期変動・数百年ごとの長期変動よりも数十年ごとの中期変動こそが人間社会へのインパクトが大きいといい、とくに良好な気候が長く続いたときこそが人間側がそれに過適応してしまい、そこが危機につながるとの指摘は色々と身につまされるところがあります。2022/03/17

どら猫さとっち

9
歴史は気候適応によって作られる。古気候復元の最新データに基づき、史資料と照合、地球環境問題に気候適応史研究の必要性を説いた、画期的な一冊。自然と人間の関わり、それは歴史においても、最も重要な要素である。幾多の危機を乗り越え、知恵を出し生かした気候適応。今大事なのは、気候適応からの生きる知恵ではないだろうか。2022/08/20

ノルノル

6
著者は1963年生まれの京大理学部→院が名古屋大で理学博士の現在名古屋大学の環境学の教授。専門の古気候学で、画期的な樹木年輪セルロース酸素同位体比法を開発・駆使し、それまで成しえなかった過去数千年の気候を年単位でシームレスに復元することに成功した。本書はその成果を主に日本史研究者や読者層へわかりやすく説明したもの。サンプルの中部以西2500年の気候復元データを駆使した長周期、中周期、短周期変動の分析、そして中周期変動が従来の研究の盲点、かつここが日本列島の人びとに深刻な変化を強いてきたことがわかる。+2022/02/25

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