内容説明
戦国時代における民衆の力と信仰心の象徴とされる一向一揆と石山合戦。その真の姿とは。北陸地方での戦国大名との戦いから、織田信長との全面戦争へ繋がる歴史過程を描き、江戸時代に創られた「一向一揆」像の謎に迫る。
目次
一向一揆とは何か―プロローグ
1 一向一揆像の変遷(創られた一揆像;新たな一揆像の可能性)
2 加賀一向一揆の展開(蓮如の北陸布教;文明六年の加賀一向一揆;長享一揆;永正の争乱)
3 享禄・天文期の一向一揆(畿内門徒の蜂起;幕府体制への回帰)
4 石山合戦(義昭・信長政権との戦い;伊勢長島・越前の一向一揆;大阪篭城と勅命講和)
5 一向一揆の行方(織豊政権下の本願寺教団;加賀藩と本願寺教団)
寺檀の信心―エピローグ
著者等紹介
神田千里[カンダチサト]
1949年東京都に生まれる。1983年東京大学大学院博士課程単位取得退学。高知大学助教授、同教授を経て、東洋大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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河童
5
家督や名声をめぐって争う武士の合戦とはだいぶ違うように思う。20万人という動員数だけをみても、一千人規模の戦死者と聞くだけでも、一向一揆の規模の大きさは桁違い。宗教絡みの戦争って、恐ろしい。2018/05/28
ryu
3
神田先生懐かしい…!中世史研で発表聞いたの思い出すわー。まぁそれはともかくとして、一向一揆(というか本願寺)が従来の学説とは相違し、いわゆる「戦国大名」的な性格を持って世俗権力と相対していたことを論じた良著です。歴史研究も時代のイデオロギーに方向性を規定されてしまうということがよくわかる好例かと。2011/05/18
可兒
3
一向一揆とはなにか、という定義からはじめる、戦国本願寺教団の入門書。イエズス会的なイメージを一向宗にもつと大いなる勘違いをする、ということを繰り返している2009/01/11
スイカマル
1
戦国時代における本願寺の立ち回りを押さえつつ、細かな部分で今までのイメージを肉付けできた。2014/09/22
兵衛介
1
消化不良。要再読。2011/05/06
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